スマホの知識は異世界でも通用するの?
「ねえ、ねえってば。」
んー。もう誰?今すっごく頭が働かないの。寝ちゃおう。
「ねえ!ねえ!」
もう、ほんとなんなの。うるさい。けどこんなに話しかけられてるなら、
起きるか。うるさいし。
「ん、んー。」
なにこれ、雲?ていうか、どこここ。
「あー、もうお寝坊だね。やっと起きた。」
天使がいた。かわいいエンジェルさん。
「え、かわいい・・・」
つぶやいてしまった。
「え、うれしい!」
にこにこ天使が笑う。もう何この子ほんとかわいい。
けど、話を進めないと、ここどこなのかわからないし。
「えっと、天使様?ここはどこなんだろう・・・?」
「あ・・・、忘れてた!説明しなきゃなんだ!
僕は天使!この前生まれたばっかりなんだ!生まれた天使は一人気に入った人間を
選んで他の世界に移動させて、その世界を平和にするっていう役目があるんだ!」
「え・・・。まって私もう帰れないの?」
まってくれ。仕事にへとへとで散らかった部屋を捜索届をだされて警察に
確認されるとか死んでも死にきれない。
「そう・・・ごめんなさい」
すっごく悲しそうな顔で天使ちゃんが誤ってくる。涙出てきそう。
「えっと、そしたら前の世界で私はどういう扱いになるのかな?死んだことになる?」
散らかった部屋が最初に浮かんだが(お父さん、お母さん、妹よごめん)、向こうには家族もいるのだ。
「いや、前の世界で君の存在はそもそもなかったことになる。」
なるほど、では、部屋も家族が悲しい思いをすることはないのか。
少し安心。
「そっか、そこは少し安心したけど、戻れないの・・・」
「ごめん!ごめんね!」
天使ちゃんが泣いて誤ってくる。
こんな生まれたばっかの子を泣かせるのは気が引ける。
腹をくくろう。
「はあ、まあいいや。異世界いくよ」
「ほんと!?ほんとに?」
涙でウルウルした目を大きく見開いて、きらきらした笑顔で天使ちゃんがいう。
悪い子じゃないんだろうな。
「うん、もうしょうがないし。というかどうして私を選んだの?」
「ん?僕が生まれたときにちょうど君が、どっか他のことしたいな~って言ってて、
この子だったら、他の世界に行ってくれるかなって}
おーう。まさかの私のせいだった。笑えない。
「な、なるほど・・・」
「それでね、他の世界ではね、一個だけぼくからプレゼントをあげれるんだ。
それでね、それでね、僕はこのスマホっていうのが良いと思うんだけど、どう?」
きらきらした笑顔で言われる。
「え、まあスマホがあれば、いろいろ分かるからいいけど・・・」
「そうだよね!じゃあ、プレゼントも決まったし、いってらっしゃーい!
よろしくね!平和にっていっても、他の世界の人がその土地で生活するだけで、
その世界の均衡は保たれるから、普通に生活してくれれば大丈夫!」
雲の量が増えて、天使ちゃんの姿は見えなくなり、声だけ聞こえてくる。
いや、見送り方雑すぎない?説明たりなくない?
さて、りなは異世界でうまくやっていけるのでしょうか。