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008ヴェツラー学園

 次の日、僕はいよいよヴェツラー学園に通う事になった。

 選択学科はもちろん魔法学科、僕にどんな魔法が使えるのか、どこまで凄い魔法が使えるのか楽しみだ。


 魔法学科では魔法の他に一般教養科目などもあり、この世界の事なども学べるらしい、僕の知的好奇心をどこまで満足させてくれる事か。


 授業が始まり先ずはこの世界の基本的な成り立ちなど、言語についても少し触れられたが、薄々はおかしいと思ってはいたけれどもこの世界の言葉は日本語ではない、僕は普通に話してたけどこれもメフィストフェレスの魔力のお陰か、何でもありだなメフィストの魔力。


 そしてこの国で主流を占める聖神教について、おかしな教義などはなくてただただ日々生かされている事に、謙虚に神に感謝し誠実に生きていきましょうというような教えのようだ、ちょっと簡単に捉えすぎかもではあるが。


 魔法についても少し触れられたがまあ本で読んでたような、四大精霊に力を借りてだとかそんな話だった早く実践的な授業を受けたい。


 休み時間になった。僕が転生前から望んでいた学校に行きたかった理由、もちろん色んな事を学ぶのは第一なのだけれどそれなら家庭教師や独学などもある。

 学校でしか出来ないこと、それは同級生の友達を作って交流すること。


 幸いヴァーグナーたちが同じ魔法学科だったらしく僕の活躍?を面白おかしく少し大袈裟なくらいに吹聴してくれていたようで、同級生のみんなは初めから親しげに少しの好意をも持って積極的に話しかけてきてくれた。


 魔法学科の同級生にはヴァーグナーの他にあの双子の女の子、ピンクの髪のモモ、グリーンの髪のグリンも居た。


 ヴァーグナーは第一印象通りのお調子者で、何処からか仕入れてきたお話などをみんなにフッて盛り上げているようだ。

 モモとグリンはいつも明るいが少し不思議ちゃんキャラなのか独特の感性を持っているようである、見分け方なども解ってきた、髪の色の他にグリンはその名の通り笑顔に特徴がある。


 そして新しく知り合った女の子、ロッテ……シャルロッテ、ああ僕はこの名前を口に出すだけでもう何か気が触れてしまいそうな、どうしようもなく感情が揺さぶられてしまうのだ。


「キミがファースト君ね私はシャルロッテ、ロッテと呼んでくれたら嬉しいわ。キミの活躍は聞いてるよそれにしても人は見かけによらないってホントね、パッと見はただの可愛い少年なのにね」


 ロッテは可愛いのは言うまでもなく、誰にでも優しくクラスの中心人物で、でも成績優秀だとか品行方正とは言えないようなところもまた魅力的で、少し2人で話す機会があったのだけれどそれで僕は一辺でトリコになったが、多分クラス中の男子は同じ想いだったのではないだろうか。


 ロッテがどれほど魅力的な女の子であるのか、こちらから聞いた訳でもないのに同級生たちが勝手に教えてくれた。それだけみんなロッテに夢中なのであろう。


 例えばクラスの女の子が大事にしているお守りをなくした時に、ロッテが朝まで探し回ってとうとう見つけ出した話。

 学園の庭の木に成っていたリンゴがどうしても食べたくて、木登りも出来ないのに無理に登って落っこちてお尻をケガした話、しかしその手にはしっかりリンゴが握られていたそうな。

 決して成績優秀ではないけども必死に頑張って勉強している話。

 毎朝教室に飾られている花、本人は気付かれてないと思っているようだがその花はロッテが持ってきて活けている事はみんなが知ってるという話。


 ああロッテもっと彼女と話したい、もっと彼女を見ていたい。

 待望の学園生活、待望のクラスメイトたち、友達そのすべてが霞んでしまうくらい僕の頭の中はロッテでいっぱいになってしまったのであった。

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