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006ヴォルフガング王国

 翌日リタにヴォルフガング王国の王都を案内してもらう事になった。

 外からでも目立って見えた一際高い建物がやはり王宮だったようだ。


「ここが王宮だが我々がそう簡単に入れる場所ではない、まあ先ず無関係くらいに思っておけば間違いないだろう」


 僕が早く見たかったのは学校だったけどその望みは直ぐに叶った。


「次にここがキミの通う事になるヴェツラー学園、道順だけはしっかり覚えておくのだぞ」


 その後にリタの素性がまた1つ知らされた。


「そしてここがある意味王宮よりも重要な場所、大聖堂だ。ヴォルフガング王国民はここの聖神教の熱心な信者が多い事でも知られている。そして私は騎士といっても神殿騎士でここの神官長に仕える身だ。この一神教は厳しい戒律などはないので安心してくれ。だからこそこの聖神教が栄えてるとも言えるのだがな」


 そのほか食料店、衣料店、雑貨屋などなど……流石王都だけあって何でも一通り揃っている、お金さえあれば生活していくに当たって特に困る事はなそうだ。

 リタに主な施設などを案内してもらい、その後街の散策を兼ねたデートを楽しんでいた時のことである。


「お前ら働きもせず学校だかなんだか知らねぇが遊び呆けてやがるらしいじゃねえか頭がおよろしいんだか、いいとこの子なんだか知らねえがムカつくんだよ!」


「な、なんだこのお方はペンは剣よりも強し!このペンで刺しますよいいんですか」

 と、チャラい感じの金髪というか黄色髪の兄ちゃん。


「なんだとぉやってみろや!」


「ひぃ嘘ですごめんなさいごめんなさい」


「あら〜ヴァーグナーはいつも口だけなの〜」

 と、ピンクの髪の可愛い女の子。


「おや〜ヴァーグナーはいつも口だけかな〜」

 と、グリーンの髪の可愛い女の子。


 髪の色以外はそっくりだ双子かな?


「テメェらうるせえぞお前らまとめてお仕置きしてやる!」


 3人の同じ格好をした若者、おそらくヴェツラー学園の生徒であろうがその若者たちが労働者風の厳つい男に絡まれていた。

 まだこの世界では勉強を労働と同じくらい大事な物だと認識はされていないようだ、少なくともこの男の頭では。


「ファースト、少し待っていてくれ仕事が出来たようだ」


「リタ、ここは僕に任せては貰えませんか、同級生になるのかもしれない人たちと仲良くなるチャンスかも僕が見かけ程そんなに弱くないのはご存知ですよね」


 今まさにヴェツラー学園の生徒に殴りかかろうとしている男の腕を狙い、出来るだけ手加減して指をパチンと弾く、労働者風の男が後ろから誰かに腕を急に引っ張られたかのように吹っ飛んだ。


「まだ血の気は収まりませんか?まだやるなら僕がお相手になります、次は頭が吹っ飛んじゃうかもですが」


「えっ?えっ?いやっ俺はもうそんな……」


「よしっ頃合いだなおいそこな男、テンプルナイツだ、大人しくしろ。誰か縄を貸してくれ」


 縄で後ろ手に縛られた男が大人しくリタに連行されていった、去り際にリタのフォローが入った。


「あ〜ファースト、この街は基本的に平和でこのような揉め事なども滅多にはない今日は運が悪かったな」


 さてヴェツラー学園の生徒たちは無事だろうか。


「あら〜茶色味がかった御髪が素敵なお強い少年なの〜」


「おや〜まだあどけなさが残るけど将来はイケメン有望なお強い少年かな〜」


「そこの君っ!ありがとう!助かったよ僕の名はヴァーグナー。ヴェツラー学園の生徒だ、君の名前を教えてくれないかこの恩は必ず返すよ」


「僕の名前は不破明日斗。恩は返さなくていいからヴェツラー学園で会ったら仲良くしてくださいね」


「ファースト君か2nd君や3rd君も居るのかな?まあいい同級生なんだねこちらからお願いしたいくらいだ仲良くしてくれ」


 もしかしたら僕に生まれて初めての友達が出来たのかも、リタは今日は運が悪かったなと言ってたけど、これで運が悪いなら明日からはどんな幸運が待っているのだろう?この世界は楽園なのだろうか。

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