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グリーンスクール - 翼をください  作者: 辻澤 あきら
8/9

翼をくださいー8

   裕美さんへ


  突然のことで、ご挨拶もできませんで申し訳ありません。


  私はアメリカに行くことになりました。


  手術に行くのです。


  以前から、勧められていたのですが、勇気がなくて(それと、アメリカに行くことも


  こわかったので)、なかなか決心がつかなかったのです。


  最近ではずいぶん簡単に直るとのことでしたが、それでも手術はしなければならなく、


  日本では順番があるので遅くなってしまうのです。


  これ以上遅くなると、受験にも影響するということで、どうしてもいま行かなければ


  ならなかったのです。


  それでも、決心がつかなかった私は、わがままを言って、緑ヶ丘学園に転校してきた


  のです。


  お兄ちゃんもお姉ちゃんも通った(通っている)学校に行きたいと、わがままを言っ


  たのです。


  少しだけ通えば、絶対手術を受けると、半分嘘をついて転校してきたのです。


  この学校は、私が想像していた以上にすてきな学校でした。


  男の子がいることが、楽しく思えた理由だったかもしれません。


  でも、裕美さんに会えて、私は本当に変わったと思います。


  裕美さんは、こんな言い方をすると怒られるかもしれませんが、頼りがいのある人


  で、魅力的な人でした。


  一人で立っている、という印象がすてきでした。


  私も自分の足で立ちたいと思ったのです。


  でも、いままでの私は過保護の中で育ったので、何もできそうもありませんでした。


  だから、手術を受けにいくことにしたのです。


  きっといまなら飛べると思います。


  きっと裕美さんのようになれると思います。


  努力します、裕美さんに恥ずかしくないように。


  帰ってきたら、またお話相手になって下さい。


  また、叱ってください。


  きっと、元気になって帰ってきます。


                                由美子

  


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