月見酒/チーク
ワンカップのワインは
軽いプラスチックの容器で
ロゼの薄いピンク
君のチークより甘い色
十五夜を丸い縁どりに寄せて
するり飲み込んで
つかえずに笑ってる
輝くってそういうこと?
わけも無く泣くよりも
わけも無く笑っているほうが
ずっと辛いと知った
さめた夜
割れない容器に
頼りない色で揺れるワインは
頬を染めるには足りない度数で
君は付けたしているチーク
誤魔化しのきかない
明るさの中で
うやむやにしたいことばかりだから
見上げるんだろう
保てない形ばかりが揺れる
飲み干せば透明な底をかかげ
覗き込む
何が本当でも
君は頬を指差し
明るく笑ってみえるからさすの、
そう言って
ぎこちなく笑ってる
輝くってそういうこと