ロッカーの中の少女が名前すら教えてくれないとか信じたくない。
彼女のタブレットを受け取り、文字を打ち込み、彼女に返す。
さっきからこれをずっと繰り返している。だが、彼女が答えてくれた質問は少ない。
彼女に質問してわかったのは次の通りだ。
・ロッカーで1日を過ごしているらしい。
・アニメや動画を見たり、音楽を聴いたり、ゲームをしたりしているのが常。
・たまにヘッドフォンを外して、聞こえてくる授業も聞いているらしい。
・小説や本、漫画も読む。
・結構絵がうまい。
・僕と趣味や好きなことがかなり似ている。
・いつもジョーク/ブラックジョークを交えて話す面白い子だ。
以上だ。彼女については重大なことが全然わかってない。
・名前がわからない。
・ここの学校の子かわからない。
・家がわからない。
・親もわからない。
・家出中なのかもわからない。
・正確な年齢が不明。
・トイレやシャワーをどうしているのか不明。
・食事もどうしているのか不明。
マジで名前すら答えてくれねえし。これは男としてちょっと悲しいかも。。
つーか、本当に彼女が家出少女だったとすると俺やばくね?
でも今のところはどうしようもねーよなぁ。なぜかロッカーのドアの内側に取っ手が付いており、さらにそこに針金がグルグル巻きになってるんだから、彼女に監禁されてるも同じだ。まあ、暗くてよくわからないけど結構可愛い子だし、可愛いくて静かな女子に監禁されるのは気分悪くないかもw
そんなことを考えていると、彼女がタブレットをよこしてきた。
『名前は、必要なものなのか?』
僕はそれを読んでからこう打って彼女に渡した。
『お前、とか、君って呼ぶより親しみが湧くから、必要だと思うよ。』
すると、彼女の返事はこうだった。
『じゃあ、私はセレスティア・○ーデンベルク。セレスと呼んでくださって構いませんわ。』
……。
○ンガンロンパかよ!!??