面倒事の予感
今回も短くなってしまった……
「それじゃ、行ってきまーす」
こうして私は町へと向かい始めた。
町に行くには森抜けて行かなかいけないんだけど、最低でもまる2日はかかる。
まあ私なら1日かからずに、転移魔術を使えば一瞬で辿り着くこともできる。
それだと面白味の欠片も無いからするつもりはない。
さてと、まずは食糧調達をしないとね。一日とはいえなにも食べずに過ごすのは辛いし。
「それでは、狩りを始めましょうかねっ‼」
あまり日の光の入らない薄暗い森の中を獲物を求めて歩き続ける。
普段なら割りとすぐに何かしら魔物に遭遇するはずなのに、いつまでたっても見つからない。
魔物どころか周囲に生物の気配すら感じない。
恐らく近くに強力な個体がいるんだろう。生物は身の危険を感じるといち早くその区域を離れる。
この異様な静けさはそれが原因のはず。
探査魔術の範囲を拡大してみると確かに大きな生物反応が見つかった。
お?集中しなければ気づかないほどのかなり弱々しいけ反応が1つあるみたい。
反応が弱いということは死が近いということ。これは少し急いだ方がいいかもしれないね。
目的地に着くと、まだ幼い少年が倒れているのを発見した。
見た感じ貴族のようだけど、なぜこんな森の奥にいるんだろう?
よく彼の身体を観察してみると身体は擦り傷だらけで、服もボロボロ。
何かに襲われていたようにしか見えない。
もしかして、この少年はその魔物から命からがら逃げてきたのかな?
少年に触れようとした時、大きな反応が此方へと向かっていることに気づいた。
程なくして視界に件の魔物の姿を捉えた。
ウルフ種ではあるが体毛が通常と異なり黒く、体長も4、5メートルはある。
私にしてみればザコでしかないけど、この魔物は一般的に見れば中級クラス位はあるはず。
少年のこともあるし、手早く片付けちゃおうか。
「穿て『ダークスピア』」
漆黒の槍が不可避な速度で対象へと放たれ、そのまま頭蓋を貫く。
黒のウルフは悲鳴をあげることもなく地面に倒れた。
今回も冒険者になりませんでした、すみません。次こそは長めに書いて冒険者編いきます