いざ学園へ
主人公最強です
次の日私は魔法学院を訪れた。
「あなたが護衛を引き受けてくださった方ですね。私は学院長のトーレスです。さて、今回あなたには今月末に行われる実習で生徒たちの手助けをしていただきたいのです」
「今月末ですか? まだまだ先の話ですね」
「ええ、それでなんですが、あなたには一か月間教師としてこの学院で働いてもらいます。訓練の時にほかの教師の補助をしてください」
ええ~、なんか予想以上にめんどくさいな、この依頼。14の私に教師をしろと。
もうなめられること確定じゃん!
かと言って今更断れないよね、陛下にも引き受けるって言っちゃたし。
やりますよ、やってやりますよ!なめてくるやつ皆叩き潰してあげようじゃない!!!
「今日から一か月間訓練の補助を務めるアルです。月末の実習ではあなた方を護衛、まあ死なないように手助けさせていただきます。以後よろしく。ああ、それから私の実力に疑問がある方がいれば手を挙げてください。容赦なく叩き潰してさしあげますよ」
あれ、みんな反応しないね。一人くらいはいると思ったんだけど。
やっぱり強さを知ってもらうためには、実際に見てもらったほうがいいよね。
「誰もいないの? 俺のほうが、私のほうが強いって心の中で思っている人はいるでしょう。さあ、遠慮なく出てきなさい。それとも私が怖いのかな? 怖気づいちゃったのかな?」
ふふ、悔しそうにしてる子がいっぱい。それでも出て来ないのはみんなの前で醜態を晒したくないからだろうね。
「そこまで言うなら、俺が相手になる。さんざん俺らをバカにしやがって、本気出してやるよ」
彼はカレード侯爵の息子らしい。自分の実力を過大評価し過ぎているね。一回くらい挫折を知っておいたほうがいいんじゃないかな、彼自身のためにも。
やってきました訓練場。結界も張ってあるから、余程の魔法を使わない限り大丈夫だろうね。
「さあ、始めましょうか。初撃はあなたからどうぞ。全力で来てください」
「いいぜ………焼き尽くせ!『テラフレア』!!」
ふーん中級魔法か。さすがに自信満々なだけはあるね。まあ、私には効かないけど。
『闇の繭』
私って闇属性の魔法が得意なんだ。『闇の繭』っていうのはそのまんまの意味で、全身を闇で包んで攻撃を防ぐんだけど、それが繭に見えるってのが由来。
外から見れば私は炎に包まれているように見えるだろうね。さてさて、無傷の私を見てどんな反応をするのかな。
「ハっ、ざまぁねえな」
「なにが? あなたの魔法なんてこれぽっちも効かないんだけど」
「なんで効かねえんだよ………、お前化け物か」
「はいはい、化け物で結構。じゃあ次は私の番だね」
あれれー? さっきまでの威勢のよさはどこへ行ったのかな。さあ、きつい一撃を与えてあげようか、しかも同じ火属性の魔法でね。
名前何だっけ? えぇーとねぇ……あ! 思い出したよ!!
『インフェルノ』
とてつもないほどの黒炎が相手に殺到する。逃げることもできないし、もちろん彼では受け止めることもできない。まあ、死にそうになったら魔法解除してやるけど。
「ひっ、う、うわぁぁぁぁぁ!!!!」
そのまま彼は飲み込まれてしまった。さすがにそろそろ可哀想になってきたので助けてあげよう。
『解除』
炎が消えていく。彼のほうを見ると顔が恐怖に染まっていた。
ちょっとやりすぎちゃったかな。反省、反省っと。
「ねぇ、大丈夫だった? ケガはない?」
「だ、大丈夫だ。謝るから、さっきのことは許してほしい。頼むっ、お願いだ!!」
すっかり怯えちゃったね。見ると周りの子たちもみんな怯えてる。まあ、当初の思惑通りだね。
「許すも許さないもないよ。これで私の実力はわかってくれたかな? まだ異論があるって人いたら相手になるけど」
ぶんぶん、と勢いよくみんなが首を横に振った。
「じゃあ、これからよろしくね」
こうして私の教師生活が始まった。




