記念すべき初仕事
いよいよ初仕事
なんだかんだでイリアス君の両親と会うことになった。
「息子を助けていただきありがとうございました。あなたは息子の恩人です。それで、お礼をしたいのですが、何かご希望はありませんか」
お礼ねぇ、特になんもいらないんだけど。
ただこういう時ってなにかしら言っといたほういいよね。
お礼受け取るまで帰してくれないだろうし。
「じゃあ、お仕事ください。私の記念すべき初依頼として」
「そんなものでいいのですか?」
私の初仕事をそんなもの扱い?
もし相手が貴族じゃなかったら殺っちゃうところだよ。
あれ? イリアス君が震えてる。
なんでだろう?
「ええ、お願いします」
とりあえず、魔物討伐の依頼を受けました。
明日は楽しみだね!
「よろしければ泊まっていきませんか?少しでもお礼をしたいので。」
それは嬉しい申し出だね、お金ないし。
「はい、お言葉に甘えさせていただきます」
それから色々話をした。
イリアス君はかなり叱られてたけど、まあ当然だね。
あと、私は礼儀作法がやたらしっかりしてるって言われた。
どこで学んだのか聞かれけど、テキトーに誤魔化したよ。
そういえば、前世の私って有名だったりするのかな?
領主の歳ならさすがに何かしら知ってるよね。
「あの、王宮で死んだ侍女について何か知っていますか?」
「王宮で死んだ?……ああ、王子を守り抜いた侍女のことだね。彼女は有名だよ、英雄だからね。強く、優しい人物だったと聞いてるよ」
おおぅ、英雄になっちゃてたよ。前世とは言え恥ずかしいね。
「そうなんですか、教えてくださりありがとうございます。彼女の話は両親から聞いていました。だから、どんな人なのか知りたかったんです。」
理由も付けといたよ。これで怪しまれないよね。
「それでは、失礼いたします」
そうして、私は部屋へ向かった。
すると途中でイリアス君が話しかけてきた。
「あなたは一体何者ですか?強さも立ち振舞いも明らかに村娘のそれではありません」
なかなか鋭いねぇ。ずっと観察でもしてたのかな。
せっかくだし教えてあげようじゃないか。
「私は前世で侍女をやっていたんだよ、しかも第二王子のね。英雄って呼ばれてる侍女を知っているかな?私はその生まれ変わりだよ」
「そう……ですか。これで納得がいきました」
「へぇ、信じてくれるんだ」
「はい。その侍女はとてつもなく強かったようですし、さっきあなたは、父に侍女のことを聞いていましたしね。それに、その時少し不自然さを感じました」
やっぱり不自然だったかな。だってさー、自分のことを聞くって恥ずかしいじゃん。
「この話は誰にも教えないでね、約束だよ?」
「はい、もちろんです」
さてと、そろそろ寝ようかな。
「じゃあ、私は寝るよ。おやすみ」
「あのっ! 次からはイリアスって呼んでくれませんか?君はいらないので」
ふふふ、可愛らしいね~。顔真っ赤にしちゃってさ。
「かまわないよ。じゃあ、私のこともアルって呼んでね。ついでに言葉遣いも崩してくれるかな?堅苦しいのは嫌いなの」
「ありがとう、アル! これからもよろしくね。それじゃあ、おやすみ!」
「おやすみ、イリアス」
次の日、私は依頼のために森へ向かった。
昨日からゴブリンが多数目撃されているようだ。
今回の依頼はその調査とできれば討伐。
まあ、楽勝なんじゃないかな。
ゴブリンはすぐに見つかった。でも数がものすごく多い。
100近いんじゃないだろうか。
とりあえず、最初は魔法で数削ろうかな。
術式を展開する。
唱えるのは雷の魔法。
威力が高過ぎて出番なかったんだよね。しかもこの魔法無差別だし。
「『天雷』!」
ズババババ‼
空から無数の雷が降ってくる。
その結果ゴブリンはほぼ全滅してしまった。
「つまんないの………って、ヤバっ‼」
雷で木が燃えてた。このままだと大火事になっちゃう!
慌てて水の魔法を使って消火した。
危なかった~。
ゴブリンがいた方を見ると、一際巨大なゴブリンが立っている。
「オマエハナンダ?」
すごーい!喋る魔物なんて初めて見たよ。
「ただの人間です」
「ソウカ? マアイイ。オマエニハシンデモラウ」
死ぬのはお前だよ、デカゴブリン(仮)
先手必勝、一撃必殺~。
「そいやっ‼」
両腕切断しました。当然全身血まみれですよ。
いつもの血染めファッションです。
「グワアァァァ‼」
苦しんでますなー。じゃ、仕上げといきましょう。
術式発動。
さっきデカゴブリン(仮)に爆破の術式仕込んだんだよね。
あ、私性格悪くないからね。勘違いしないでよ!
さて、これからショッキングな映像が流れるよ。
気をつけてね~。
パアァーン!
うん、想像以上に凄かった。もう辺り一面真っ赤。
いや、もうデカゴブリン(仮)跡形もないね。
バラバラどころじゃなくて、木端微塵って感じ。
やり過ぎちゃった。
ちなみにこの魔法も、前世じゃ使う機会なかったんだよね。
一回だけ使ったんだけど、あまりにも凄惨になるからってケインに禁止されたの。
まあ、とりあえず依頼完了だね。
アルは性格がちょっと悪いです。ちょっとだけですよ。




