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とりあえず、、、はい(* ̄∇ ̄)ノ


「いったたた…あ!すいません…」


困惑する俺を差し置いて…というより、気付かずに薫さんはペコペコと頭を下げる。

「なぜ…薫さんがここに…?」


「すいま…え?えっ!石田くん!?」


上下に振り回されていた頭はぴたっと動きをとめ

色白な顔の肌が、こちらへ向けられる。


相変わらず綺麗なお方である。

俺が石っころだと想定したら彼女はダイヤモンドである。いやそれ以上だ。


「遅刻してるけど?いいの?」


爽やか系男子を装い、ニコニコしながら薫さんに問いかけた。もっともニコニコしながら言うセリフではないし、俺がニコニコしたらニヤニヤになってしまうのだが。

嗚呼、眩しき太陽と磯の薫り…


薫さんの笑顔は灼熱たる情熱の夏を思わせる。

それはまるで水平線に煌めく太陽の漏れ日…



2人とも阿呆のようにスッ転んだその交差点はその時から俺と薫さんの間では巴交差と呼ばれるようになった。何故巴かって?訳は…聞かないでくれ。


「あの、一緒に行こ…」


「え…ああ」


まさか彼女のうやうやしく動く唇からそんなセリフが出てくるとは思ってもいなかった。

先に行っても良いよと言う意味を込めた


君…遅刻しちゃうぜっキラッ

は彼女には全くといっていいほど通じずに、ただ一緒に行きたいというお願いを申し込み


今隣を歩いている。

「えーっと…薫さんて何組だっけ?」


「3組…」


「へえ〜…そなんだ。3組と言えばやたらイケメンが多いクラス」


「そんなことない…です」

「タメでいいよ〜。そう言えば昨日何で俺を殴ったの?」


問うた瞬間、彼女の目は一瞬見開き、まるで全身の毛穴が開いたような、そんな反応をし直ぐに


「あ!あの、ごめんなさい…!昨日…あの、石田君の頬に…ハエが」


「ハエかあ…ハエ!?」


この少女――――できる。

ハエを素手で叩く人間などカンフーを極めた男性か某ドラ〇゛ンボールの孫〇空のような仙人でしか出来るまい。

と、私は昔から決めつけているのだが…。


とにかく変わり者には違いない。


「ごめんなさい…痛かったですか」


「いや心配ご無用、ハエを叩いた貴女に感謝」


「い…いやぁ」


頬を赤らめて後頭部をか弱く引っ掻く。あからさまな照れもこれまた可愛い。


そんなことをしてる間に校門についてしまった。


俺はあくまでも紳士に彼女を見送りなるべく澄まされた俺を彼女にアピールした。


もちろん、いきすぎても気持ち悪くなるには変わりはないはずだからあくまでも紳士に。



その、一見下らない「そんなこと」でも俺は貴重な情報を手にいれたのだが…


「あ」


演劇部のことを聞くのを忘れてしまった。


時計を眺めると綺麗に90度となっていた。

お話を終わらせたいという欲が、、、

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