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目が覚めても

暗いっす


目が覚めても


目が覚めても父は帰ってこない…


それでも母は平然たる朝飯の用意をし、兄弟はすやすやと眠っている。


はぁ…


部活


どうしようか…


今一番気にかかっているのがバドミントン。

あの1本1本の糸で編み上げられたガットにより羽は飛ばされる。軽快なる上履きが擦れる音が体育館を響かせ暑いが爽やかな汗を一かき…


がしかし母親があんな高いものを買ってくれるだろうか…。

けちとまでは行かないが母親は今まで俺の趣味となるものの道具を買ってくれた覚えがない。

無理矢理習わされた剣道の防具と袴は購入したは良いが、竹刀、サポーターや鍔など小さい道具は一切買ってくれやしなかった。

それなのに父親は違う。習い事の終了時には必ずスポーツドリンクを買ってくれるほど優しかったのだ。ただ甘いのではない。きっちり怒る時には怒って慰める時は頭を撫でてくれた事もある。



その父も今は何処。

消息をたってしまったのだ。




俺はふと何かを思い出したように時計を臨む。



時刻0830


3時8分の間違いか?


「……」


そういえば今日は自棄に朝日がまぶしい。



「…遅刻だっ!」







昨日から俺自身の様子がおかしいと察する事が出来るほど何かがおかしい。


それは滝の如く流れんばかりの鼻血を指しているのではなく、何か…こう、胸につっかえるのだ。


このようなはっきりとした好意など今までもったことなどなかった。


そう、


これはつまり


初恋…!!


格好着けてる場合ではない。


俺は今猛ダッシュで通学路を駆けているのだ。地面を蹴った右足をまた前へ…左足…右足…。砕けるまで足を動かすんだ!




さっきまで悪夢と共に寝呆けていたとは思えぬと言わんばかりに頬を疾風が駆け抜ける。


これもまた気持ちの良い物だ。

寝坊して遅刻しそうで、「やべえ!!遅刻遅刻ぅ!!」と喚きながら家を飛び出す。そして曲がり角で美少女とごっつんこ…



「曲がり角…?」


視界には徐々に近付くT字路の姿…


まさか…!



どすっ…



途端に肩に衝撃が走る!!じんじんとした痛みは次第に広がり右腕が痺れるほどになったが俺はそんなこと気にしてる場合ではなかったのだ。



「いったたた…あ!!す、すいません!!」


見覚えのある黒髪に俺は言葉を失う。


磯崎 薫 …さんだ。


まてまて!!これは何かのまちがいだ。きっと薫さんのことばっかり考えていたから普通の女子高生が薫さんに見えただけなのだ。

こんな出来すぎたラブノベみたいな展開はこの筆者には求めるなと先人に言われた気がするのだ。

お久しぶりです

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