表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/30

あ、あれ…やべっ

何か…暗くなっちゃぢゃ…


「石田。日本語の使い方おかしいぞ」


憂鬱と高揚感と共に階段を上がっているとき、またもあの男装少女が壁からひょこっと現れた。


「師匠…どうしたんですか…?」


「そもそも恋愛の息吹きの吹かざる高校生活では、〜ざると言う活用を使ってしまっているではないか」


「はい…で、どうしたんですか?」


そして師匠は後ろに手を組ながら続けた。


「働かざる者食うべからず。と言う言葉は知っているな?」

働かざる者食うべからず。この言葉は良く小さい頃母に言い聞かされていた言葉であった…

働かない人間は食を得るべきでない。

そのため俺は母の手伝いを強要されていたのを思い出す。


「意味は知っているようだな。この言葉でも使われている、〜ざる。もう分かっての通り、〜ざるにはしないや、〜ないなど否定の意味なのだよ」


「…」


「君は恋愛の息吹きの吹かない高校生活を祈願しているのか?違うだろう。国語力のない人間だ」


そう吐き捨てられ師匠に何かを投げられる。

どすっと体で受け取ったそれは

俺のわすれたはずの鞄であった。







「ただ…いま帰りました…」


いつでも帰宅時の扉を開けるのは恐怖でしょうがない。皆だってそうだろう?母にまた怒られないといけないから…


「和也…!座りなさいお話があります」


嫌いだ。家も家族も。


「あんた何で早く部活に入らないの!いい加減にしなさい!だいたいあの学校の豊かな部活に憧れて入ったのでしょう!?そもそも…」


あのテレビも。この花瓶も。この絵も。


「恥なのよ!和也…あんたが部活に入らないから保護者会でも私は恥ずかしい思いしているのよ!?…」

嫌いだ。母も…姉も弟も。

「部活に入らないなら今すぐ学校やめて働け!!早く決めなさい!!」


嫌いだ。この名前も…この体も。

「出てけ!!一家の恥なのよ!出てけ出てけ!!お父さんがどう思うかわかってるの!!」


「…」


「…何よ…いきなり立ったりして…文句でもあるわけ…!」


駄目だ。手を出しては。

お父さんが言ってた…お母さんには絶対暴力はふるうなって…

何で…

どうして…


「自分の部屋に戻ってます…」


これが俺の日課。

家に帰って…

母におこられて

父親の話をもってこられるとイラついて

自分の部屋にもどる。


前の母は…どこへ行ってしまったの…?

この話…終わるんでしょうか…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ