L・ラグランジュ宇宙ステーション
地球―月系のL4の位置に浮かんでいる宇宙ステーション。
エル社が開発主体となり、15年の歳月をかけて建造された。
現在でも、エル社が運営を続けており、私立の宇宙ステーションの中では、最も繁盛している。
500を超す店が中にはあり、また、学術研究所が3つある。
月軌道の外に行くときの経由地の一つとなっているため、その利用客も多くいる。
火星植民が本格化してから50年がたっており、エル社はその植民のための物資輸送の会社として、日本皇国政府が100パーセント出資で設立された会社である。
だが、株式を徐々にではあるが市場へと流通し始めている。
将来的には、全株を一般市場に放出することになっている。
この宇宙ステーションは、L4にある唯一の宇宙ステーションとなっている。
地球と月を結んだ線においての線対称の位置にあるL5には、北米条約連合と欧州連盟が共同開発している宇宙ステーションがある。
そちらとこちらは何かあった時に双方に協約を結んでいて、何かしらの事件や事故があった場合は、協力をするという体制を整えていた。
それでも、互いに数十万キロメートル以上離れているので、すぐに向かうことはできない。
そのため、一定以上の大きさの宇宙ステーションは、主たる国のいずれかの軍や警察部隊を駐留するということになっていた。
L・ラグランジュ宇宙ステーションに駐留しているのは、日本皇国宇宙軍第2宇宙軍第2宇宙隊が衛戍している。
昔は国際宇宙ステーションを守っていたが、すでに解体されている。
現在の第1宇宙ステーションは、このL・ラグランジュ宇宙ステーションである。
なお、警察は日本皇国警察庁が直轄しており、警察庁支部を事実上の警察署として機能させている。
宇宙ステーションには、稼働中の駐機場が15ある。
それぞれ番号が、2から10までが民間用、残りの11から16までが軍用となっている。
駐機場1番は、現在では封鎖されているが、臨時用として、整備はされている。
10年間に使われたのは、3度ほどではあるが、どのようなタイミングで使用されるか分からないので、常に整備は怠らない。
宇宙ステーションの内部には、300を超える専門店とカジノエリア、それにエル社直営のL・ラグランジュホテルがある。
5つ星ホテルであるこのホテルは、地球、月問わずに観光客がひっきりなしに来ている。
最近は、火星植民も成功しており、火星からの客も増えてきている。
宇宙ステーションには常駐している人が約3500人、さらに観光客がほぼ常時1万人程度いる。
全ての場所には、防犯カメラがあり、どのような犯罪も見逃さない。
こうして、宇宙ステーション全体の治安は守られている。