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バスケ道  作者: yama14
本編
64/72

第50Q 「西成中学校女子バスケットボール部参上!」

ガッシャンッッッッッ!!!!


俺が振り向いた瞬間、タイラーは金網の下敷きになっていた。


「タイラー!」

俺らの叫び声が虚しく空中に散った。


※※※※※※※※


「そしてそのままJinと呼ばれた男は逃走、タイラーはそのまま救急車に運ばれ、バスケを出来ない体になってしまった…」

氷陵は小さくか細い声で呟いた。


「今でも辛いよ、そのことを思い出すと」

俺はゆっくり呟いた。


「タイラーのことは辛い。けど、あの時旭と出会えたのが大きかったよ。あのことがあってから、とても辛かった。けど、旭と一緒に親友として、そしてバスケのライバルとしてこの辛い気持ちをバスケをしながら紛らわすことが出来たんだ。旭がいなければ、今の俺はないと思う」

氷陵は声は小さかったけれども、はっきりとした声で言った。

「だからこそ、旭!お前にには絶対勝ちたい。王陵に、絶対勝つんだ!だから、絶対に負けない!見てろよ!」

氷陵は旭を指差して言った。

「いったな?俺も、氷陵!お前に勝ちたいんだ!タイラーが見てても文句のない完璧な試合を繰り広げてやる!」

売り言葉に買い言葉とはこのこと。

氷陵VS旭、つまるところ天童VS王陵、アメリカで結ばれた2人の決戦が、今、始まろうとしていた。



※※※※※※※※


「はい、解散!」

美奈さんから決勝までの諸注意を指示され、解散となった。

解散になった瞬間、背後から俺を呼ぶ声が聞こえた。

「遼くーん!」

振り返ると、西成の女バス4人が走りながらこっちへ向かってきていた。


「西成中学校女子バスケットボール部、参上!ごめんね、麻莉奈が遅くてさー!準決勝終わった?」

そう言ったのは安住彩。

SGをしている。身長145cm。

桜なみに小さい身長が特徴、って言ったら怒られるか…?

ボスッ!

「ん?なんか言った?」

腹を彩に蹴られた。

なんだこいつは、超能力者か?

「あれ、恭介くんは?」

そう言ったのは西織空。

女バスの連中と初めて会った日から丹原恭介に一目惚れしたらしく、初日から恭介の事を好きだと公言したやつである。

ポジションはPF、身長150cm。

そこにタイミングよく恭介が現れ、空は恭介へ飛びついて行った。

「恭介、どんまーい」

俺含めここにいるみな全員が恭介へ慰めの言葉をかけた。

空は恭介を見つけるとベタベタし始めて止まらないのだ。

「そ、それで勝ったの?」

小さくか細い声で言ったのは天宮汐音。

ポジションはこう見えてC。身長153cm。

「あーうん、勝ったよ」

「そ、そーなんだ!おめでとう!お、お疲れ様!」

こいつは本当に照れ屋である。彩が言うには男子の前では恥ずかしくてまともに話せないらしい。

そして眠そうな目をこすっているのが篠田麻莉奈。

ポジションはSF。身長160cm。

西成女バスで俺と同じように1年生からスタメンを勝ち取った奴。

いつも抜けているが、バスケの実力は本物である。

「お前らは負けたんだっけ?」

俺は恭介と空のコンビを脇目で見ながら聞いた。

「うん、負けちゃった…初戦敗退。千束中ってとこー!西野って呼ばれてた子が上手くてさー!本当嫌になっちゃうよ!」

西野…?まさかあいつではないよな…?

「初戦敗退したからこーして応援来れるんでしょーがー!女バスの分までがんばってよね、遼くん!まー私達が来たら負けないけどねー!決勝応援してるよー!」

「ありがとう、彩!マジでありがたいわー!」

桜のことはまともに下の名前で呼べないのに、こいつら4人は平気で呼べるから俺の性格が嫌になってくる。


俺と恭介、そして女バス4人と伊龍翼を引き連れ、7人で天童VS王陵の試合を見ることにした。

旭と氷陵に励ましの言葉をかけたかったが、今試合へ向けて集中してるだろうしな…話しかけるだけ集中切らすことになるからやめておいた方がいいだろう。

俺がコートに入るとすぐに、天童VS王陵の試合開始の笛が鳴った。

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