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バスケ道  作者: yama14
本編
51/72

第37Q 「オールコートマンツーマンはお見通し」

「いいか、オールコートマンツーで行くぞ、ここまで一ヶ月弱だが、このメンバーで練習して来たんだ、仕掛けるぞ!」

川松監督は叫んだ。

「はい!」

立修学園メンバーは声の揃った返事をした。

「こっちも相当今はキツイだろう。いくら点をとっても取られ、それを繰り返す。ハイペースな試合展開だが、辛いのはあっちも同じだ!やってきた事信じて、言ってこい!」

「はいっ!」



「こんなタイミングでタイムアウトを取るなんて、確実になにかしかけてくるわ!この時間、4Q…差を広げて行きたい、残り時間が少ない事を考えると、オールコートマンツーマンで来そうね!オールコートマンツーは、Gが1番重要よ!Gの2人、榊君、吉見君!頼んだわよ、うちの兄弟エース!ま、一応他の手でくる事も頭にいれといてね」

「はい!」



ボールは立修学園ボール。橘がドリブルしている。

45対49。点差は4。

後ろを振り返ると、疲弊した表情の榊先輩、恭介、黒船先輩、長瀬先輩。

高身長布陣を引いているためか、交代も1Qから全くしておらず、ほとんどみんな出続けている。

さらに4Qはずっと4点差と6点差を繰り返している。

追いつこうとしても追いつけない、その事実に対する苛立ち、焦りが表情に現れ始めたようだ。


ここは、絶対、なんとしても、俺が抑える!


桜が心配そうな表情で見つめている。

あいつに心配はかけたくねぇ!

余裕で勝って、安心させてやりたい!


橘がドリブルをする。竜太郎へパス、そのまま小清水へ。


バッ!


倫太郎が一気に加速し俺の脇を通る。


「待てよ!」


倫太郎が小清水から0度線でボールを貰う。


シュートか!?


キュッ!


シュートフェイクをかけ、クロスオーバーから後ろに下がった。


危ねえ!危うくジャンプするとこだった!


倫太郎はシュートを打とうとするものの、シュートを打てず小清水へパスをする。


「シュートクロック確認しろ!」

倫太郎が叫ぶ。

24秒計は残り8秒。


抑える!


「ヘイ!」

倫太郎が小清水にボールを要求する。


倫太郎がパスを受け取る。


倫太郎はレッグスルーをして呼吸を整える。


そして倫太郎は一気に加速をした!


そのままシンプルにレイアップか!?


「俺にスピードで叶うと思うんじゃねぇ!」


俺はジャンプする。倫太郎、ブロックしてやるよ!


だが俺はこの時点でこの勝負の負けを悟った。

まだ打ってこないのだ、レイアップでボールを手から離さない…


すると倫太郎はダブルクラッチをしてバックレイアップをしようとした。


やばい、滞空時間が持たねえ!


遼の体は、じょじょにコートの地面へ近づき始めていた。


これは、負けた。


そう思った瞬間だった。


「おらああああああああ!!」


バコンッ!


ドンッ!


ボールはゴールボードに当たった!


横から現れた榊先輩が倫太郎の放ったボールをブロックしたのだ!



俺は榊先輩とハイタッチをする。



「榊先輩、ありがとうございます!」


「お互い助け合うのかチームってもんだぜ?お前だけ1人でチームを引っ張ってるわけじゃねーよ!なんかあったら俺を頼れ!」


「はい!」




「兄弟エース、見てて頼もしいわ…2人で西成を引っ張ってるわね」

美奈さんはしみじみと呟いた。



ブロックしたボールを恭介がキャッチし、榊先輩へパスする。


美奈さんの言うとおりだった。

立修学園はオールコートマンツーマンを仕掛けてきた!


榊先輩には橘、俺には倫太郎がついている。


倫太郎のディフェンスはやはり上手い…


敵ながら俺は倫太郎のディフェンスに心の中で敬意を表した。


バスケには、バックコート(西成側からすると、西成がディフェンスをするコート)に居られる時間は、8秒までと決まっている。

8秒以内にセンターラインを超え、フロントコート(西成側からすると、西成がオフェンスをするコート)へ行かなければならないのだ。

もしバックコートの中で8秒を過ぎてしまうと、8秒バイオレーションと言う反則になり、ボールは相手ボールになってしまう。




24秒計は…


20秒!ってことは残り4秒か!


榊先輩が橘先輩を抜けて居ない。


ここはさっきのお返しをしないと!


助け合うのがチームだ!


「榊先輩、下さい!」


「頼んだ、残り4秒だ!」


俺は榊先輩の背後に回りボールを受け取る。


榊先輩は倫太郎へスクリーン。


「榊先輩、先行って!」


俺は思いっきりパスをした。


「オールコートマンツーマンはお見通しだっ!」

俺はそう言いながらボールを手から放った。


「任せろ!」


榊先輩は大きくジャンプし、ボールを空中で受け取った!


「よっしゃ!」


西成ベンチから歓声が上がる。


俺は24秒計を確認した。


残り17秒。あやうく8秒バイオレーションを取られるとこだった…危ない危ない…


一息ため息を付くと、声が聞こえてきた。

「オフェンス1本!オフェンス1本!」

西成ベンチから応援の声が聞こえる。


そうだ…試合に出れてない人も居るんだ!

試合に出てない人の分まで、頑張るのが俺の責任だ!



俺がさっきパスをした榊先輩からボールを受け取る。


「ヘイ!」

ハイポストに入っていた黒船先輩が声を上げた。


俺は黒船先輩へパス。


先ほど榊先輩とのスクリーンプレイで倫太郎とスイッチして俺をディフェンスしていた橘に恭介がスクリーンをかける。


俺は恭介の脇を通りダッシュした!


「遼、後は頼んだ!」

黒船先輩からボールを受け取る!


俺はローポストでボールを受け取ると、そのまますぐに追いついてきた橘に対し、真っ向勝負を挑んだ。


「おりゃああああああ!」


「舐めてんじゃねえ!!」


橘と空中で接触する。


接触のせいで俺はバランスを崩したことを実感した。


ただ神様は全てを見放したようではなかった。

手だけは残ってる!


俺はボールをまだ橘に接触されていない左手へ移し、片手でシュートを放った。


入ってくれ!










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