表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バスケ道  作者: yama14
本編
49/72

第36Q 「均衡」

「さーて、勝負の4Qだ。大我は居ないが、俺らだけで頑張って行こう」

黒船先輩が言った。

俺、榊先輩、恭介、長瀬先輩、黒船先輩で円陣を組む。

「よし、行くぞ」



「炎太ー、試合前のミーティング行くぞー」

氷陵は言った。

「ほいほい。試合はいいのか?」

炎太は言った。

「いや、西成が勝つと思うよ。このままならね」




「俺らもミーティングすっかー、お前ら、ストレッチ済んだかー?」

旭は言う。

「はい!」

部員の声が揃った。


「よーし、打倒天童、行くぞ!」





ボールは立修学園ボール。

PG橘、SG竜太郎、SF倫太郎、PF上田、C小清水。


橘はタイムアウトを挟んでようやく落ち着いたようで、不規則なドリブルをしかけてくる。

「もー無様な姿は、見せない」

そう叫んだ後橘は切り込み、クロスオーバー、そしてバランスを崩しながらもシュートを打とうとした。


「榊先輩、フェイクだ!」

俺は叫ぶ。


橘はフェイクを仕掛け、竜太郎へパスをした。

「ふ、ジャンプしなかったな。次はそーはいかないぞ」

竜太郎はワンフェイクをいれた後、ポストアップしていた小清水へパスをした。


そして小清水の脇を竜太郎は走り抜け、小清水から竜太郎はボールを手渡しされ、そのままレイアップへ行こうとする。


竜太郎についていた長瀬先輩が小清水にスクリーンをかけられた形になり、小清水についていた黒船先輩がカバーに入るも、竜太郎にレイアップを決められた。


39対45。


「ここらへんは見事ね、立修学園、特に橘君と早田兄弟!」

美奈さんはつぶやく。


「ファストブレイク!」

黒船先輩が叫び、俺と黒船先輩はフロントコートへ全速力へ走って行く。


「すぐボールを榊君に渡して!ゆっくりしてる暇はないわ!」

美奈さんが叫ぶ。



俺らは全速力でフロントコートへ走り、榊先輩から俺が弾丸パスを受ける。



「待てよ、ダンク坊主!」

橘が前に塞がる。


早い!さすがは橘と言ったところか?


「あのダンク、さすがに精神的に来たぜ。ただ俺らはそんなんで折れねーよ!」


俺は落ち着いて黒船先輩へパスをする。


そのままゴール下…と思っていた時だった。


バコンッ!


「いつまでも点は取らせねーよ!」


ピィィィィー!


「ファール!黒7番!」


「くっそ、ファールか…」



あそこから追いつくなんて、どんなジャンプ力をしてやがる!


やるな、橘!


俺は汗をふきながらそう思った。



黒船先輩は落ち着いてフリースロー2本を決めた。

こういう状況で決められるのはさすがは黒船先輩と言ったところか。



41対45。



橘は竜太郎へパス、竜太郎は上田へ。


高速のパス展開だ。


「遼、スクリーン!」

黒船先輩に叫ばれる。


すると小清水がスクリーンをかけていた。


体がぶつかる。


「スイッチ!」


小清水、こういうところがさすがと言ったところか。

リバウンド、スクリーン…Cが出来る基本的なところがしっかりしている。


倫太郎はエンドラインギリギリに走り、0度の位置に居た上田からボールを貰う。


そのまま振り向きざまにシュート!


「お返しだっ!」

黒船先輩がブロックする!


「ピィィィー!!ファール、青5番!」


「くそっ!」


黒船先輩もくらいつく。さすがは黒船先輩だ。西成のゴールを守って来た人は違うな…


「2ショット!」


バスッ!


スウィッシュした。完璧。


「1ショット!」


バスッ!


これもスウィッシュした。

さすがはガードだ。


41対47。

4Q残り6分半。


俺はすぐに走り出す。


ただ橘が追いついてくる。早い!


榊先輩がゆっくりボールを運ぶ。


黒船先輩が榊先輩についている橘にスクリーン!


そして榊先輩がスクリーンの後ロールをした黒船先輩に見事なパスをし、華麗なピックアンドロールが決まった。


43対47!


「うし!だてに俺ら1年一緒にプレイしてないんでね!」


榊先輩が黒船先輩とハイタッチを交わす。



橘がボールを運ぶ。ボールは倫太郎、そして竜太郎へ。そのボールを倫太郎に戻す。


倫太郎がドリブルを仕掛けてきた!

ドリブルの姿勢が低い!

そしてそのままバックロールをしかけ、クロスオーバーをした。

そして倫太郎は後ろに下がり、フェイダウェイジャンプシュート!

完璧だ!


くそっ!やられた!


ジャンプしたものの、間に合わなかった。


ピュルルル!バスッ!


歓声が上がる。見事な1on1からのジャンプシュート。


43対49。4Q残り5分45秒。



榊先輩がドリブルしてフロントコートへボールを運んで行く。


俺はポストアップをする。


「ヘイ!」

俺は榊先輩にボールを要求した。


ボールを受け取った後、小清水を押し込んで行く。


「おりゃあ!うおおおおお!」


そしてその瞬間俺は力を抜き、バックステップでそのままジャンプシュートをした。


ピュルルル、バスッ!


決まった!


45対49。



「うまいな…」

小清水はボソリとつぶやく。

「ありがと!これが商売なんでね」

俺はそれに応じた。


「うーん、一進一退ね…4点差と6点差を何度も繰り返してる」

美奈さんはつぶやく。


立修学園顧問、川松和夫はこう言った。

「どっちが先に均衡を破るかな…よし、仕掛けるか…」


ピィィィー!!


立修学園はタイムアウトをとった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ