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バスケ道  作者: yama14
本編
36/72

第24Q 「ジャンプ力」


「で、どうなんだ?例の1年は」

余りに中学生にしては大きすぎる巨体の男に聞いた。

その男は答えた。

「あ?俺にセンターで叶うやつなんかいねーよ。ぶっ潰す」

その巨体の男の隣にいた少年は爽やかに笑った。

「ふはは、そうだな。炎太に叶うやつなんていねーよな。聞くのが間違ってたぜ」

「おうよ、小3までアメリカ仕込みの俺はちげーぜ?」


「おーい、準決のアップすっぞー、炎太、氷陵!」


「了解です」

炎太は返事をしなかったが、それに対し氷陵と呼ばれた男は爽やかに答えた。







会場は盛り上がっていた。

必死に追いすがる西成、そこから必死に点差を広げようと頑張る立修学園。

会場の観客は、準決勝ということで徐々に増えだし、盛り上がり始めていた。


「ここでタイムアウトは…?みんな疲れているし、ここで一度いれた方が?美奈さん?」

神宮寺は言った。

それに対し美奈子は、

「いや。要らないわ。こんな時は、流れに任せましょう。こんなところでタイムアウトをとったら、今のっているあの子たちを冷めさせることになるわ」

桜はそんな会話も気にせず、小さい体からは考えられないような声援を送っていた。







「落ち着けよ!点差を2ケタ差にはさせるな!ディフェンス、ディフェンスだ!」

和泉先輩の声が響き渡る。


「デーフェンス、デーフェンス!」

和泉先輩…佐藤先輩…

試合に出れなくて悔しいはずなのに、一生懸命声を出してくれた。

ぜってぇ、負けねぇ!




相変わらずローテンポかよ…ムカつくぜ…

心では落ち着こうと思っても、倫太郎、竜太郎コンビのローテンポの試合展開は俺には性に合わないようだ。

倫太郎は竜太郎にパス。そして竜太郎は上田と呼ばれていた奴にパス。そして上田は45度に下がってきた倫太郎にパスをした。

くっそ…なんなんだよ…

どっから打ってきても、ブロックしてやるよ…

倫太郎はトップの位置にいた竜太郎にパス。

そして小清水がポストアップした。


俺にポストアップか?舐めてんじゃねーぞ?


だか小清水は腰をいれてきた。


……ん?さっきより腰が低い!


少しずつズルズルと押し込まれる。


「遼!お前の力はそんなものかよ!」


くっそ…くそが…


そして小清水がフックシュートを打とうとした。


「舐めてんじゃねぇぞ!おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」


バコンッッッ!


会場中に響き渡る鈍い音。





「すげぇ…」

思わず見とれてしまった。

「大我らしくねーな」

撥が話しかけて来る。

「い、いや。あのジャンプ力。あんなジャンプできるやつ、敵でもみた事ねぇよ。あいつは気付いてねーかもしれねーけど、あいつは異常だ」

撥は不敵な笑みを浮かべた。

大我が他人のプレイに圧倒されるなんて、珍しい…

それほど遼は凄いのか、と、思いながら…







ボールは榊先輩へまっすぐ飛んで行った。

「榊先輩!」


「まかせろ!」


2Q残り5秒。

1点でも差を詰めてやる!


俺はすぐにフロントコートへ向かう。


榊先輩がシュートを打とうとする…


いや、シュートじゃない?




パスだ!!!


俺の方向へボールが飛んでくる。


そのボールを空中で受け取った。


そしてダブルクラッチ。




ボールは観客の歓声と共に、リングへ吸い込まれた。


「ピーーーーッッ!!」


2Q終わりの笛が響き渡る。


22対28。

6点差!


逆転するぞ!




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