第16Q 「basket brothers①」
「う、ウソだろ…」
榊先輩が俺の兄弟?意味が分からない。父さんは、俺に隠していたことでもあったのかよ…
その真実は、俺の心に重く響いた。
父さんとはうまくやっていたつもりだった。隠し事も父さんにはしたことがなかった。
隠し事を大人がしてどうすんだよ!
体中から怒りがこみ上げてくる。もう、ふざけんなよ…
俺は家に向かって走った。
父さんに真実を聞きたかった。
俺は玄関に入り、靴を脱ぎ捨て、鳥のように玄関に入った。
そこには、4人で楽しそうにトランプをするいつもの家族の姿があった。
「おかえり~試合どうだった?勝ったか?」
いつもの笑顔で話しかけてくる父さん。その顔に、憎悪感を抱いた。
「おい、父さん。聞きたいことがある」
「どうしたの、兄ちゃん」「そんな言葉づかい、駄目よ。遼」母さんと玲奈が口々に言った。
「おまえらは黙ってろ」リビングは、一瞬にして凍りついた。
「おい、どうした、遼!そんな言葉づかいは―」父さんは怒っている。だがそんなことは今はどうでもよかった。
「うるさい!父さん、隠していることあるだろ」俺の顔は鬼のようになっていた。
父さんの顔が一瞬にして曇った。
「そ、そんなこと…」
「父さん、離婚したことがあるだろ。今の母さんは再婚相手だ。違うか?」
玲奈が持っていたコップを落とした。その音はリビング中にむなしく響いた。割れたガラスに映る下を向いた父さんの顔は、今まで見たことのないような苦しい様な、苦いような顔をしていた。
「雄介、ウソでしょ?」「兄ちゃん、何言ってんの?」姉妹が口をそろえて言った。
「もう、隠すことはできないな…」父さんが下を向いて言った。
「昔、こんなことがあった」
1つの節目を迎えています。
ここらへんは遼の過去の話なのでより丁寧に書きたいですね。