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バスケ道  作者: yama14
本編
20/72

第9Q 「遼VS新太」

俺はその日の朝、今日は春季大会の区予選だというのに最悪な気分だった。


昨日せっかく桜と2人でいたのに、丹原にガリガリ君のあたり棒が当たっていないからという理由で一緒にガリガリ君を買うのをつきあわされて、二人きりであまり喋れなかったり、あのとき「デートな訳ないだろ!」と言ってしまい桜が傷ついた表情を見せていたり、昨日の特訓での疲労がたまって足が筋肉痛だった。


今日の相手は宮之城。


宮元小時代のバスケ部レギュラーの一人で、俺とも仲が良い風上新太が入ったところだ。


新太とも最近メールだけで会っていなかったので楽しみである。


久しぶりに新太の口癖「絶対的に〇〇」が聞けるのも楽しみだった。


中学での部活でも1週間しか活動していないが新太がどこか成長していないかというポイントでも楽しみだった。


しかし、今日桜と会うのはなぜか気まずかった。


今日フォローしなければと内心ひそかに誓う遼だった。




「今日の相手は宮之城。やはりキーポイントは風上新太ね。風上君には、和泉君!あなたがディフェンスについて!」


マジか…


新太につきたいという思いが強かったが、しょうがない。


逆に絶対新太を倒すという思いが一段と強くなった。


「風上君のことは吉見君が良く知っているでしょうし、分かっているでしょう。和泉君のカバーよろしくね。しかも吉見君、燃えてるみたいだし。楽しみにしてるわよ、あなたのプレー!」

「俺にかかればカバー何ていらねーけどな」

部内から笑い声が起こった。

みんなリラックスしている。いい雰囲気だ。


和泉先輩が叫んだ。


「絶対勝つぞーー!に・し・な・り!ファイト!」


宮之城、そして新太、楽しみにしてっぞ!




スタメンは和泉先輩、黒船先輩、榊先輩、長瀬先輩、俺だった。


桜にフォローはまだできていないが、新太と戦えるだけでも、と気分転換した。


宮本小レギュラーメンバーと初めて対戦することになる。


恭介、翼がやって来た。

「1年の分まで頼むぞ」

「春季大会も優勝すんだからな!分かってるよな!」

まだ恭介にはガリガリ君の怒りが残っていたが、そんなこと気にしている場合ではなかった。

「おう!絶対勝つ!」

バンッ!

2人に背中をたたかれた。

若干痛かったが、その方がやる気が入った!燃えてきたぞ!


桜とはいまだ話していない。元気がなさそうな顔をしている。そんなにショックだったのか…

心の中で謝った。

勝ったら「勝ったぞ!」って一番に桜に言いに行こう。そう誓った。


新太がこっちへやってきた。


「久しぶり、シミ!今日は絶対的に勝つ」


翔以外の宮本小レギュラーメンバーは俺のことをシミと呼ぶ。吉見の「シミ」をとったものだ。


俺は普通に新太と呼ぶ。あまり俺は他人をあだ名で呼ばない性分だからだ。


「出たな、その口癖。久しぶりに聞けたぜ。よし、それ聞いてなんか気合入った!今日は勝たせてもらうぜ」


「それはこっちのセリフだ!」


先輩たちも俺らの勢いに気合をもらったようで、それが目の炎で伝わってきた。


「まず先制だ。黒船がジャンプボール取ってくれると思うから、俺らで速攻だ」


和泉先輩に言われた。そう言ってくれるだけで、信頼されているんだと思って、嬉しかった。


審判のホイッスルで、ボールが体育館の空に舞い上がった。




第1Qが、スタートした。




絶対、勝つ!




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