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バスケ道  作者: yama14
本編
19/72

第8Q 「上手くいかない」

桜は内心うきうきしていた。


遼君と帰れるというだけで、とてもうれしかった。


校門前で待っていると、遼君があらわれた。


「ごめん、待った?」


「ううん、大丈夫」


だがこの一言を交わしただけで、そのあとの会話が続かない。


遼君はボールを回しているだけだ。


何かきっかけを作らないと、遼君に「つまらない女」って思われるかもしれない。


どーしよー・・・・


遼君に惚れたのは1年vs2年の時、氷を渡した時のあの素直な笑顔だった。


一目ぼれだった。


そこから気になって気になってしょうがなかった。


遼君は私の事なんとも思ってないだろうし、私、どうしていいかわからない。


すると、


「おお!遼!彼女とデートか!?」


丹原君だった。なんでそこに居るのー!?


「デートな訳ないだろ!ていうかなんでそこにいるの?」


そう言われて、ちょっと傷ついた。


デートしている気分でいたので、その気分が見事にぶち壊された感じだった。


「あ?俺はガリガリ君の当たりの棒出るまでコンビニでガリガリ君買ってた」


丹原君らしいなとは思ったが、少しあきれた。


しかし、せっかく二人だったのに!


という思いの方が強かった。


「あ、ごめん、傷ついた?」


そういうところでフォローできる遼君がかっこよかった。


だけど、デートな訳がないと言っている時点で、嫌われているのかもしれない・・・・


私、遼君とこれからどう接していけばよいんだろう・・・・


私はますます落胆した。


「ううん、大丈夫」


見え見えの作り笑顔をつくった。


「桜っち、ごめん、俺らで夜行きたいところがあるから、俺ら2人で帰るわ。じゃあね!」


えええええ!?


それはないでしょ・・・・?


女の子を夜8時においてけぼりにするなんて・・・


しかも桜っちって何!?


「夜行きたいところって、怪しいな・・・・。それにしても、置いてくってかわいそうだろ」


夜行きたいところって、私も遼君が誰かに奪われそうで不安になった。かわいそうだろと言ってくれるその気遣いが、私はうれしかった。遼君、その調子で丹原君に言って!


「いいからいいから!」


丹原君は遼君の腕をつかみ、そのまま行ってしまった。


遼君は両手を合わせるポーズをしていたが、今何が起こったのか分からず、ただ茫然としていた。


丹原君に少し怒りを覚えた。


せっかく遼君と仲良くなれるチャンスだったのに・・・・


恋愛って上手くいかないな・・・・


その夜はひとりさびしく帰った桜だった。


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