Brave 2-4
少女はデストの使いだと言う
聞き違えたのかと思いロザリアは再度確認する
「い……今何と申した?」
「だ~か~らデスト様使いダネ
ロザリアさんにこの手紙を届けに来たダネ」
「承知した……
では手紙を拝借しよう」
「どうぞダネ」
ロザリアが手紙を拝借し封を切ると3枚の紙が入っていた
その筆跡は紛れもなくデストの物だった
手紙の内容はこうだった
『ロザリア久しぶりだなこの様な形ですまない
アレから俺も色々調べたんだが幾つかの有力情報を手に入れたので報告をする
まずメイガスの今現在の潜伏場所が分かった
それはX Braveから南に位置する無人島だ
そこには強力な磁場が存在し意識でもしてない限り目視も出来ない島だ
島の周辺をそれとなく調べてみたところメイガスの力の痕跡を見つけた
恐らく島のどこかに次元の入り口がありそこで期を熟しているのだと思う
とりあえずメイガスの居場所については以上だ』
最後にその島への進入方法と目視方法が記され1枚目は終わる
2枚目にはこう記されている
『次はあまりこちら側には良い情報では無いがメイガスの完全復活後の力に関してだ
知っての通りメイガスは星の意思を己が力として使用できる
これは初代コスモギアスも使用していた技の1つだ
しかしあいつには変命やカレワレの杖がある以前とは比べ物にならない力を発揮する
それが分かっている中でも2つある
1つは『創造』もう1つが『破壊』
文字通り創造と破壊この世界……いやこの銀河全ての理
変命による全ての創造とカレワレによる全ての破壊
これがもし本当であった場合俺達がメイガスを倒すことは事実上不可能だ
この事はペルセフォネにでも調べてもらってくれ』
2枚目の紙でロザリアはただただ絶句するしかなかった
自分自身以前より数段パワーアップしてきたつもりだったが
この手紙を読んだ瞬間に自分のパワーアップが小さく見えて仕方なかった
渋々3枚目を読み始める
『それから最後になるが俺は近々X Braveに戻る事にする
今後の作戦会議などをやらなければならんからな
しかし今すぐには帰れない為この手紙を預けた俺の使い
テルペシアを置いておくその子は特別な力を持っている
まあ何かの役に立つだろうそれではまたいずれな』
そこで手紙が終わった
「読み終わったダネ?」
「ああ……あまりに衝撃的で吃驚じゃ
とりあえず妾の泊まっている宿に行こう」
「分かったダネ」
ロザリアはテルペシアの手を取り宿に向かう
宿に着くなりテルペシアにジュースを注ぎお菓子を用意する
テルペシアは不思議にそうにお菓子を手に取り一口食べるなり
物凄く幸せそうな笑顔でどんどんお菓子を食べていく
そんな表情を楽しみつつ不安げな表情でロザリアは椅子に座り頭を抱える
それ程までにデストからの手紙は衝撃的なことだった
とりあえず手紙をデータ化しペルセフォネのオフィスのPCに慣れない手つきで送信する
今ロザリアに出来る事はこれくらいしかなかった
「あまり気にするな
体に障るぞ?」
脳の奥深くから雷鬼が話しかける
「と言われてものう
流石にあの手紙の内容は参った……」
「しかし今ここでお前が悩んでいても解決する問題ではない
今は船旅の疲れも溜まっているだろうしゆっくり休め」
ロザリアの身を心配し声を掛けると雷鬼はそれ以上何も喋らず消えて行った
「雷鬼の言うとおりじゃな……
悩んでいても解決する問題では無いな」
踏ん切りがついたのか顔を叩きシャッキと気合を入れなおすと
「ロザリア!私は眠くなったダネ……」
ウトウトしながらテルペシアはロザリアに抱きつく
「それはいかんな
とりあえずここで眠りにつくと良い」
ベッドを指差すがテルペシアは旅の疲れが溜まっていたのか
抱きついたまま眠りについてしまった
「やれやれしっかりしていてもまだ子供なのじゃな」
頭を撫でながらロザリアもベッド横の椅子に腰を掛けて
眠りにつく