Brave 2-19
眩い光はブリッジのジュリア達も確認していた
勿論その光に包まれ消えてしまったロザリアの事も
「ちょ!?ロザリアはどこに!?」
ジュリアが席から立ち上がり全てのモニターを確認する
しかしロザリアの姿は無い
ペルセフォネも隊員に指示を出し熱センサーなので捜索するが
ロザリアの反応は無い
その頃ロザリアは一面真っ白な空間に横たわっていた
殺風景だが暖かくとても居心地の良い場所
しばらくするとロザリアは目を覚ます
見た事無い風景に驚きはした物の何故か心地よくすぐに落ち着く事が出来た
「ここは……」
暫く周りを眺めながら先の見えない道を1人歩く
すると遠くの方で眩い閃光が見える
それは白銀の城
しかし所々傷つき人が住んでいるような場所には見えなかった
そんな場所に引き寄せられるようにロザリアは入っていく
周りを警戒することなく中央に聳える巨大な螺旋階段を登っていく
まるで上から登って来いと言われんばかりに
登り始めてどれくらい経つだろうどんなに登っても終わりが見えない
だが疑う事無くロザリアは螺旋階段を登る
するとやっと終わりが見えてきた
広いホール上の部屋で一段と輝いている
何も無いと思い階段を下りようとした時
「おや?もう帰られるのですかな?」
後ろから男性の声が聞こえる
慌てて後ろを振り向くとそこには真っ白なローブを着た老人が立っていた
「御主は……?」
振り返り名を尋ねる
「我が名はコスモギアス」
「な!?」
一瞬老人が何を言ったのか分からなかった
「い……今何と?」
再度名前を尋ねると老人はニコリと笑って再度名を言う
「ふふふ我が名はコスモギアス
全宇宙の意思である」
「馬鹿な!?だって……コスモギアスは……!?」
聞いても信じられなかった
「信じられんのも無理は無かろう
しかし今は信じて欲しい
そして我の願いを聞いて欲しい」
そう言うと杖を二回叩くとテーブルと椅子が出現する
「話しを聞くだけなら……」
椅子を座ってロザリアは話しを聞く態勢に入る
「まずは願いを話す
それは現コスモギアスであるメイガスを止めて欲しい
あやつは力に酔い暴走しているだけなのじゃ」
「そうじゃと思った……
しかし妾にはメイガスを止めるだけの力は無い……」
「確かに武神降臨ではメイガスを止める事は不可能じゃ
しかし君なら出来るはずじゃ武神天臨を」
その言葉に今まで以上驚いた
「妾が!?」
驚いているロザリアにニコリと微笑み頷く
「ああ君なら出来る
コスモギアスの強大な力と匹敵する力を君は持っている
ただ君は恐れている武神天臨を使う事で自分を失ってしまうのではないかと」
「………」
ロザリアは図星を突かれ言葉が出なかった
強大な力はコントロールを間違えれば自分を失ってしまう
そればかりか自分の武神である雷鬼や周りの皆にも迷惑をかける
それがロザリアにとっての障害だった
不安がるロザリアの肩を優しく叩きささやく
「我もそうじゃった
この巨大な力を手に入れる事により己を失い
この銀河の多くの物を傷つけてしまった
しかし最後は4人の武神と人の手により我は己を取り戻せた
その中の1人がテルペシアじゃ
彼女は我の力の一部を取り込み眠りに付いた
今後我の力を悪用する物に対しての切り札
今こうして話している我もその力じゃ」
そう言って一度話しを区切りロザリアの目をみつめ話しを続ける
「この力を持ち君には戦って欲しい
この世界を銀河を守ってはくれないか?」
真剣な表情で頼むコスモギアス
それでもロザリアの不安は消えそうに無かった
そんな時
「まったくお前は何でも考えすぎなんだよ!」
後ろから後頭部を思い切り叩かれた
「な……御主は!?」
それはロザリアの武神である雷鬼だった
「お前はあの時俺との契約が切られそうになった時諦めたか?
お前が諦めなかったからお前と共に居れる
俺はその事に感謝している
どんな状況になろうとお前の力であり続ける
お前が道を踏み外すのなら俺が戻してやる
だからやろうじゃないか武神天臨を!」
力強い雷鬼の言葉についに決心が決まったのかロザリアはコスモギアスに頭を下げる
「良き目だ
これでやっと我も眠りにつける
ああ……最後にじゃが
テルペシアを頼む」
そう言ってコスモギアスは光の粒子となりロザリアの体内へと入っていた
「言われずとも分かっておるわ……
行くぞ!!!」