Brave ２-１８
武神天臨後のデストの強さは異常だった
今まで押されっぱなしだった戦局は一変しメイガスを押している
その事にメイガスも焦り始めている
「この！！！」
デストの回りを含めた空間を捻じ曲げ押し潰そうとする
「『ツールオン』！！！」
左手を天に掲げ叫ぶと朱雀の尾が２つ外れデストの腕に装着される
尾の形は変わり巨大な筒状の物へと姿を変える
「『ジェノサイドオーラ』！！！」
筒状から発せられる巨大なオーラが膜状となりデストを包み込む
捻じ曲げられた空間は消滅しメイガスにも大きなダメージを入れる
「何てでたらめな攻撃なの～！」
「朱雀より発せられるジェノサイドオーラの前では貴様の攻撃等無力！
『ツールアウト』『ツールオン』！！！」
左腕の筒は尾に戻り１つは尻尾に戻りもう１つは右腕に装着され
金色に輝く刃へと姿を変える
「『天叢雲剣』！！！」
朱雀の巨大な翼を力強く使いメイガスとの離れた距離を一気に縮め
天叢雲剣でメイガスを斬り付ける
「そんなもので私のフィールドは抜けられないわよ～ん？」
宇宙の力を使い作り出されたメイガスのフィールドによりデストの刃が届かない
「ジェノサイドオーラ！！！」
朱雀の翼から発せられたジェノサイドオーラがメイガスのフィールドを破壊する
「そんな！？ありえないわ！！！」
「驚いている暇があるのか？
『朱雀一閃・煉獄刃』！」
真っ赤な朱雀の形をした斬撃がメイガスに向け放たれる
「ん～！それはまずいわね
『銀河重力』」
銀河の力を元に作り出した重力波が煉獄刃と衝突する
力は完全に五分五分なのか両者の攻撃は衝突と同時に消滅
大きな攻撃を放ち次ぎの動作まで時間が掛かっているデスト
それに比べて攻撃の反動の少ないメイガスがデストに仕掛ける
「隙だらけよ～ん♪
『銀河剣』」
銀河の力を凝縮し作り出した漆黒の剣でデストに斬り付ける
「ツールオン！
『嶽魅雷』！」
尾が更に１つ撃ち出されデストの左腕に装着され
妖美漂う刺々しい剣となりメイガスの攻撃を受け流し天叢雲剣で斬り付ける
ギリギリの所で回避に成功されダメージを入れる事はお互いに出来なかった
「何という攻防戦じゃ……
一体アレは何なのじゃ！？」
アルフェルシーをヴァルキュリアに運びながらモニターに映る
デストとメイガスの攻防戦を見て驚きを隠せない
そんなロザリアにジュリアがモニター越しで説明をする
「あれは武神降臨を極め武神と心が１つになった時に実現可能な
武神降臨究極の姿その名も武神天臨
武装をした上で更に武神を完全具現化できる
その完全具現化した武神を更に纏う事で
武神降臨の１０倍以上のパワーを引き出す事の出来る技
でも武神天臨は想像以上の力をくれる変わりに
武神と契約者に通常より強いダメージを与えてしまう
それは武神が受けてくれていたダメージが契約者にも流れ込むから
攻撃に特化した変わり防御は殆ど無いに等しいの」
言われながら攻防を見ていると確かにデストは攻撃を武器で出来る限り弾き飛ばしている
盾等を使えばそのダメージが自分にも流れてくるからだ
「そんなものを奴は使っておるのか！！！」
急いで救援に向かおうとするロザリアをアルフェルシーが止める
「行ってはいけませんですの……」
「何故止める！？このままでは……」
手を振り払いそれでも行こうとするロザリアにアルフェルシはー叫ぶ
「今の貴女が言った所でデストの邪魔になるだけだと言う事が分かりませんの！？」
その言葉に足が止まる
自分でも気づいていた事だ
幾らスピードで勝って居ても今の自分が出て行ったところでメイガスには勝てない
それを改めて他人から言われた事により苦やしがこみ上げる
どうして良いかわからず次第に表情にその悔しさが露になる
瞳から小粒の涙が流れ落ちる
あまりに惨めで無力な自分が情けなく
小粒の涙は頬を伝い胸元にある精霊の結晶へと落ちる
すると精霊の結晶は物凄い光を放ちロザリアを包み込む
「な……何じゃ！？」
光は徐々に消えていき完全に消え去るとそこに居たはずのロザリアの姿はなかった
