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#二人だけのタイムライン  作者: 千子


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第9話 初めての友達

糊さんへのリプライを返せなくて、1日経ってもう月曜日。

足取りが重い。

ついでに返す本も重い。

何度目か分からない溜息を吐いて登校した。

「おはよう」

「おはよう!どうだった!?原作!ていうか考察すごいバズってたねー!」

「すごいよかった!はい、これ。ありがとうね」

そう言って本を返す。

「でしょう!」

満面の笑みの彼女を見て、眩しいと思った。

私は、リアルでこんな風に笑えているだろうか。

「考察はね、アンチもいてこういう考えの人もいるんだって勉強になった」

「そうそれ!それでさ、気になってたんだけど糊さんって前からの相互さん?討論バトル熱かったね〜」

そう言われてちょっと照れる。

「糊さんには本音で言えるっていうか、思わず白熱しちゃった」

「うんうん。いいよね〜。そういうのもSNSあるあるだよね!」

「そう。男性と話せるのなんてSNSくらいだよ。私、陰キャだし。友達いないし」

その言葉に彼女は目をぱちくりさせて自身を指差した。

「私は?友達じゃないの?私はもう友達のつもりだったけど」

「えっ」

その言葉に今度は私が目を見開いた。

「友達だって、思っていいの?」

「もちろん!」

初めての友達だ!

私は嬉しくなって口角が上がって胸の奥が熱くなる。

「嬉しい」

「私も。実はずっと喋ってみたかったんだよね。でも、独特な雰囲気があって話しかけにくかったんだ」

「独特な雰囲気?」

なにそれ?

私が首を傾げると、彼女は身振り手振りで説明しだした。

「なんかこう、俗世に興味ありませんー!って感じ。あ、悪く言ってあるわけじゃなくて、なんか浮世離れしている感じ。だから同じ作品が好きってわかって嬉しかった」

そう微笑む彼女になんて言えばいいか分からなかった。

私は俗世に興味もあるし浮世にも離れていない。

もしかして、この長めの前髪か?

目を隠していることが暗く見せていたのか?

……。

「髪、切ろうかなぁ」

「イメチェン?いいと思うよ!これから暑くなるし、いっそバッサリ切ってみたら?」

「うーん」

よし。迷ったらアンケート取ろう。

私はSNSを開いて髪を切るかアンケートを取った。

すぐに話をしたことのない相互さんから、髪を切るなら潔くベリショがおすすめって後ろ姿の写真付きでリプライがきた。

ここまで短くする勇気はないなぁ。

そういえば、私の前髪が長くなったのはいつ頃からだっけ?

気づけば、前髪が伸びた分だけ、世界から隠れていたのかもしれない。

リアルと関わり合いたくなくて遮断していたのに、今、リアルもSNSも楽しい。

「前髪、どのくらい切ろうかなぁ」

「眉上までやっちゃお!」

「……そんな勇気はないかなぁ」

私が苦笑すると彼女は笑った。

「いいじゃん。似合うよ、きっと」

「そうかなぁ」

あ、またリプライ。

糊さんからだ!

「髪、長いんですね。短いのもいいと思います!」

だって!

ふふふ。

一気にテンションが上がって、短くてもいいかもって思えてきた。

「お、どうしたどうした?」

「なんでもない」

今度の休みは髪を切ろう。

そう思ったら、心も軽くなった。

アンケートも切るに票が入っているし、リアルもSNSも変わってきているなら私も変わろうかなぁ。

夏。

今年の夏は何があるんだろう。

今年の夏は、きっと今までと違う夏になる気がした。

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