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#二人だけのタイムライン  作者: 千子


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第28話 デートの約束

それでも朝はやってくる。

「おはよう」

「おはよう」

「昨日は弟がごめんね。混乱したよね?」

やっぱりリアルの糊さんがお兄さんなんだ。

改めて糊さんが二人いることに混乱する。

私の心はどうしたらいいか分からなかった。

でも、お兄さんの糊さんも弟の糊さんも、私はもう好きになっていて、それが苦しい。

「うん、結構混乱した」

笑って言えるくらいには私も壊れてしまっているんだろう。

それからホームルームが始まるまで話をして、先生が来たから別れて、私は授業が始まってからもずっとどうすべきか考えていた。

だって、好きな人が二人で、しかも双子で、それを知らずに二人と付き合っていたなんて漫画みたいなこと、自分に起きるなんて思わなかった。

糊さん、なんでこんなことしたの?

糊さんは私より後ろの席だから見ることができない。

でも、視線を感じる。

それが心地よく思ってしまう私はもう戻れないんだろう。

壊れていく私を拾ってくれるのも、きっと糊さんなんだろう。

あっという間にお昼休みになって、また二人でお昼ご飯を食べる。

本当は屋上は立ち入り禁止で誰も寄ってこないから二人だけの空間。

糊さんは私と二人きりが好きみたい。

タイムラインも二人きりだもんね。

「なにか言いたいことがありそうだけれど」

糊さんが切り出した。

糊さんは、どっちの糊さんが私を好きなの?

「両方。昨日弟が言っていただろう?僕達は二人とも君と付き合っていると思っていたんだけど」

「そんなの、そんなのおかしいよ!だって私は一人しかいないのに、糊さん二人と付き合うなんて」

糊さんは微笑んだ。

「大丈夫だよ、常識に囚われなくても。世界に僕たち三人がいればいいんだから」

何を言っているんだろう。

「糊さん。モラルとか、分かる?」

「失礼な。わかっていて言っているんだよ。これでも兄弟喧嘩とか起きたんだよ。好きになった女の子が同じ女の子なんだから」

好きと言われて不覚にもときめく。

「……私も、どっちの糊さんも好き」

そう言って笑う。大丈夫。笑えている。

だってこれは本心だもん。

「糊さん、好きだよ」

「嬉しい。僕もだよ」

優しい時間が流れる。

糊さんとの特別な時間。

「今度、三人で会おうか」

糊さんの提案に驚く。

「そんなに驚くこと?」

「だって、緊張する」

「もう三人で付き合っているのに?」

そう言われて、それもそうかと納得する。

糊さんのバイトが休みの日に合わせて三人でデートすることになった。

三人でデートっていうのもおかしな話なんだけど、これも私たちなりの愛の結論なんだろう。

ちょっと歪だけれど、これが私たちの形。

「糊さんの弟さんってどんな子?」

「SNSで、いつも話をしているじゃないか」

「それでも気になるじゃん」

「リアルでも時々入れ替わってお互いの学校に来ているから、リアルでも会っているよ」

それを聞いてぞわりとした。

この双子は、やっぱりおかしい。

でも、離れられない。


家に帰ってから検索したら私たちの関係は共依存にあたるらしい。

共依存。お互いがいなくちゃダメな関係。

まさにそうだ。

私は糊さんがいないとだめだし、糊さんもきっと二人とも私がいなきゃだめなんだ。

糊さん。

こんなに好きなのに、どっちも好きって不誠実かな?

私が好きになった糊さんは、どったの糊さんでもあるんだよね?

ううん。どっちでもいい。

糊さんは二人で糊さんだもん。

早く三人で会いたいな。

ベッドに横になると糊さんからSNSの着信があった。

「今、何してさているの?」

「糊さんのこと考えてた」

「嬉しい。僕も考えていて連絡しちゃった」

糊さんも私を考えてくれていたんだ!

嬉しさのまま、しばらくSNSで話をしていてふと気になった。

「お兄さんの方?弟さんの方?」

「どっちだと思う?」

「うーん。句読点の付け方から弟さん!」

「すごい。よくわかってきたね。兄さんはまだバイトだよ」

「一緒にバイトしていたのもお兄さん?」

「うん」

学校が同じでバイトも一緒にしていたのはお兄さんの方だったんだ。

「今度、三人でデートするんだって?」

その言葉になんて返していいか一瞬迷った。

「うん。楽しみだね」

本当に楽しみなんだろうか。

私は、二人の糊さんに会ってどうなってしまうんだろう。

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