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#二人だけのタイムライン  作者: 千子


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第11話 初めてのバイト

今日も今日とてもSNSに入り浸っていた頃、ふと思った。

私の夏、これでいいの?

そう思ったら何かをしなきゃいけない気になって、でも何をしたらいいのか分からなくて右往左往していた。

そこでふと、広告のバイトの文字が目に入った。

これだ!

バイトをしよう!

……でも、人見知りのコミュ障の私が出来る仕事なんてあるのかな?

それを呟く。

みんなから励ましの言葉をいただく。

これは素直に嬉しい。

糊さんからは、俺もコンビニのバイトしていますけど楽しいですよ、だって。

コンビニかぁ。

やること多そうだけど学生が出来るバイトなんて限られているし、探してみるか。

そう思って求人サイトを見たら駅近くのコンビニがバイトを募集していた。

ええい!ままよ!

私は急いで履歴書を買って証明写真を撮って、コンビニにバイト希望って連絡して、面接日が決まったところで一気に履歴書を書き切った。

高校までだから薄い人生だけど、小学校や中学校を卒業する年を書く時に、こんなことがあったなとかあんなことがあったなって思い出してしんみりする。

楽しいことばかりじゃなくて、辛いことも多いけれど、今の私にはSNSと友達がいるよって過去の自分に教えてあげたい。

私は、長かった前髪も切って、バイトなんて私からしたらハードルが高いことにもチャレンジしようとしている。

それが少し誇らしい。

「面接は明後日かぁ」

そういえば、どんな服装で行けばいいのかな?

制服……は、さすがに固い?私服でいい?

またSNSを開いて先人達に教えを乞う。

どうやら私服でいいみたい。

よし!あとはイメトレだ!

志望動機や働いている自分をイメージする。

うーん。やっていけるかなぁ。

短い前髪を弄る。

すっかり癖になったこの仕草。

ダメならダメでいいや。

そして迎えたバイトの面接。

割と簡単な質疑応答くらいで即採用だって。

なんか拍子抜け。

裏口から出て伸びをする。

とりあえず、バイト決まってよかったー!

「あれ?」

声を掛けられて振り向くと、同級生の男子がいた。

「ここで何しているの?」

「ここのバイト決まったんだ」

「へぇ、俺もここでバイトしているんだ。ここじゃ俺が先輩だね。なんでも聞いてよ」

「頼りにしています」

なんてやり取りして、小さく笑い合う。

あんまり接点のない男子だったけれど、話してみると割と楽しい。

「それじゃ、私はこれで」

「うん。またね」

帰宅してすぐにSNSにバイトが決まったと報告した。

おめでとう、頑張ってってたくさん励まされる。

「頑張ります!っと」

呟いて、スマホを持ってベッドにダイブした。

私がスマホを見れなかった面接中のタイムラインを追う。

すると糊さんが、一言呟いていた。

「気になる子とバイトすることになった。緊張する」

私は持っていたスマホを落とした。

いやいや、落ち着け、私。

糊さんだってリアルがあるもん。

気になる子がいることも前に呟いてたし。

でも、このモヤモヤはなんだろう。

なにか、リプライしたらいいのかな?

仲良くなれるといいですね!

違う。仲良くなって欲しくない。

糊さんと働けるなんて羨ましいです!

これは本心だけど重たい?

ぐるぐる迷って、結局何もリプライ出来なかった。

「糊さん、気になってる子とバイトするんだぁ」

私も今日バイト決まったのにな。

どこの誰とも知らない相手に一喜一憂して、馬鹿みたい。

少し落ち着くために目を瞑る。

もし、もしも糊さんがあの子なら……。

そんなあり得ないもしもを考えて、自己嫌悪。

妄想に浸って、しょうがない。

「あーあ」

バイト、やる気になっていたのに一気に気分が落ちていく。

目を瞑ってしばらくすると、糊さんからリプライが届いた。

「バイト決まったんだね、頑張って」

私のテンションは一気に上がった。

「頑張ります!」

さっきまでの悩みなんてすっかり消え失せた。

私は糊さんのリアルには入れないけれど、SNSでは繋がっている。

それでいいじゃん。

この夏はバイト頑張ろう!おー!

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