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アイコンの吹き出し

作者: その
掲載日:2025/10/31

 ソファーで寝転びながらSNSを開く。様々な人たちの投稿が見れた。相互の人にいいねを付けていく。私はよほど投稿がおかしいと思わない限りはいいねを付けてくいいね魔だった。


 ただ私にはもう一つの秘密の楽しみがあった。それはアイコンと話すことだった。

 話すと言っても吹き出しでアイコンが語るのが見えるのだ。吹き出しで語られる内容は基本的にはシンプルなものが多かった。挨拶や私が好きかどうか、あるいは台詞がないときもあった(だいたいそれはつながりの薄いアカウントだった)。


 「こんにちは」「ありがとう」。その挨拶だけでも楽しかった。フリーアイコンを借りたときにはアイコンから作者の方にいいねして、フォローしてと言われた。アイコンは作者のためを思って話しているようだった。あるいは私を通して行動しているようだった。

 

 フリーアイコンと新しいアカウントについて相談していたけど、「それは合うかしら?」等々色々と考えてくれた。


 ある日、アイコンと話せることをSNSに投稿した。どういう反応が来るか気になったのだ(今思うとおかしかったかもしれない)。ただ好意的に面白がってくれる人たちもいてくれた。いいねはそこそこ付いたと思う。


 その投稿に返信が一つ付いた。よくお互いいいねし合う仲の相互フォロワーの方だった。

その人は「自分のアイコンは何て喋ってる?」と書いていた。そのアイコンはその人が描いたものだった。落書きぽい印象があったがその人らしかった。私は聞いてみた。


 「描いてくれてありがとう。本当に嬉しい」と話していた。その言葉をそのまま相手に伝えたが感謝されたと思う。

 数日後か数ヶ月後か思い出せないがSNSを通じてその方が亡くなられたことを知った。

 

 結局、私はアイコンと話せなくなってしまった。吹き出しが見えなくなったのだ。私自身が夢を見ていたのかもしれなかった。

 その夢は束の間だったかもしれない。けれど夢は何度も見るものだ。きっと夢はふたたび私たちをSNSのように結び付けるだろう。

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