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日本茶

『番茶、煎茶、玉露、抹茶、ほうじ茶、玄米茶などは緑茶の一種じゃ〜』と書かれているページにわたしは目を落とし、「ほへ〜っ」と呟く。


「ほうじ茶も緑茶の一種なんだ? 茶色なのにね」


 それはそうとどのお茶を創造しようかなと考えていたその時。


「アリナちゃんってば何をしているんだにゃん」


 パタパタにゃんとやって来たモフにゃーが言った。


「うにゃん? アリナちゃんはまた白紙の本を読んでいるんだにゃん」


「白紙じゃないんもん。わたしだけに見えるお茶の本なんだよ」


 わたしは得意げに笑ってみせる。えへへ、わたしにだけ見えるのってやっぱり優越感を持ってしまう。


「えっ? お茶の本にゃん。わたしもお茶飲むにゃん」


 モフにゃーその大きな目をきらきらと輝かせた。


「わかったよ。モフにゃーのお茶も創ってあげるよ」


 にっこり笑うわたしにモフにゃーが「嬉しいにゃん」と喜び飛びついてきた。もう可愛らしい奴め。


「うん? なんだってお茶が飲めるのか」


 いつの間にか現れたギャップが舌なめずり舌舐めずりをしている。


「もう、真来が飲むお茶なのに」


 わたしはちょっと呆れ二匹のもふもふの顔を交互に眺めた。


「さてと、美味しいお茶を真来に淹れてあげるぞ。ついでにモフにゃーとギャップちゃんのもね」


 わたしは腕まくりをして気合いを入れてみせる。その隣りでなぜだかモフにゃーとギャップもやる気満々な表情で拳を握っている。


 もう一度お茶が載っている料理本をわたしはぺらぺらと捲る。緑茶の種類について細かく記載されていた。「ん? なになに?」


『番茶についてじゃあ〜。緑茶の一種だ。普段の日常的に飲む高級品ではないお茶だ。つまり安いお茶ってことだ。さっぱりしたお味であるようじゃ〜』と書かれていた。


「え〜番茶は安いお茶ってことなの?」


『続いて煎茶だ。緑茶の一種だ。緑茶の中でよく飲まれているお茶だ。玉露(高級品)と番茶(安物)との中間がこの煎茶(中級品)らしいのじゃ〜』


「そうなんだ……知らなかったな」


『続いて玉露だ。緑茶の一種だ。玉露は日光を遮って育てたお茶だ。まろやかな甘みと深いコクを感じられる高級なお茶かも知れんな〜』と書かれていた。


「美味しそう」


『次は抹茶だ。抹茶はてん茶というお茶を粉末にしたものじゃ〜簡単にいうと粉末状の緑茶だ。色鮮やかな緑色をしておる。ちょっと面倒になってきたぞ』と書かれていた。


「あはは、面倒ってあの神様らしいな〜わたし緑茶も好きだな」



次のページをめくると緑茶の種類についての続きが書かれていた。


『次はほうじ茶じゃ〜。う〜ん、まだ続くのか……読者も飽きそうだな。何よりこの神様であるわたしが疲れたぞ。仕方あるまい続けよう』


 と書かれてところまで読んだわたしは神様ってこんなんでいいのかなと、首を捻ってしまう。


 呆れつつわたしは続きを読む。


『ほうじ茶は緑茶の一種だ。茶葉を焙じた飲み物を指すのじゃ〜。番茶や煎茶などの茶葉を焙煎したお茶だ。もうほうじ茶でも飲んで寛ぐと良いのじゃ〜。ほうじ茶は香ばしくて独特な香りがしてほっと落ち着くと良いな』と書かれていた。


「あはは、ほうじ茶飲みたくなってきたな」


 わたしは、笑いながら次のページをめくる。


『玄米茶だぞ。玄米茶は緑茶と炒った米を混ぜたものだ。玄米茶も香ばしく独特な味わいだな。以上。ふぅ〜』と書かれていた。


「神様らしいな」とわたしは笑いながらお茶を飲みほっこり寛ぎたいなと思った。


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