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さあ、おにぎりを食べよう

「おにぎり作りは楽しいね」


 わたしは慣れない手つきでおにぎりを握った。そして、ラップを外しお皿の上に並べる。形は不格好ではあるけれど、自分で作ったおにぎりはなんだか可愛らしく見える。


「おにぎりに海苔を巻こうね」


 わたしは、一つ一つのおにぎりに海苔を巻く。不格好なおにぎりに海苔を巻いていく作業も楽しかった。


「アリナはどこでこんな技を習得したんだろうね!? それにこの不思議な食べ物もだよ」


 お父さんは慣れない手つきでおにぎりを握りながらわたしがおにぎりに海苔を巻く姿をじっと眺めている。


「えへへ、どこでかな?」


 おにぎりは地球の日本では誰もが知っている。みんな大好きで様々な行事において欠かせない存在なんだよ。なんて言えないよ。


「アリナよ、頼もしいぞ」


 お父さんはそう言って豪快に笑った。


「えへへ」とわたしは笑ってみせた。


 地球出身のみんなもこのグリーン王国の住人ももふもふ達も笑顔でおにぎりを握りわくわくした表情で、そのおにぎりに海苔を巻いた。


 みんながおにぎりを作り終えると、わたしはおにぎりに定番の組み合わせである味噌汁を創造魔法を使い創った。


 さて、おにぎりをお味噌汁と一緒に食べようね。


「美味しいね」


 わたしは大きな口を開けおにぎりにかぶりつく。はむはむと食べるおにぎりは美味しくて懐かしい味がした。


 わたしの隣に座るモフにゃーはおにぎりにかぶりつき無我夢中で食べている。


「ほぅ、そのようにしておにぎりとやらは食べるんだな」


わたしをじっと見ていたお父さんは、口を大きく開けおにぎりにかぶりついた。


「うん、これは美味しいぞ。自分で握ったおにぎりとやらは最高だな」


 お父さんは、美味しくてたまらなーいって顔をしている。


 他のみんなも美味しくて幸せそうな表情で食べていた。そんなみんなの顔を見ていると、それだけで美味しさが倍増する。


「アリナちゃん、この汁物も美味しいな」


 アクアお兄ちゃんが味噌汁を飲みながら言った。


「それはね、味噌汁っていうんだよ」

「味噌汁? 初めて飲むけどなんだかほっと落ち着くな」


 アクアお兄ちゃんはほっこりした表情で味噌汁を飲んでいる。 


「わたしもこの味噌汁っていうの? を飲むと身も心もぽかぽかして落ち着くわ」


 ストロベリーナお姉ちゃんもほくほく顔だ。


「良かった。わたしも味噌汁大好きなんだよ」


 うふふ、お味噌汁も好評で嬉しいな。



もふもふな二匹に目を向けると、もうどんな状態であるのか想像できると思うけれど、二匹はおにぎりにかぶりつきどんぶり茶碗の味噌汁に顔をつっこみ食べていた。


「美味しいにゃん」

「美味しいガォー」


 モフにゃーもギャップも幸せそうな表情で食べているのでわたしは何も言わないで黙っていることにする。それに、ばっちいけど可愛いもんね。


「食欲旺盛なもふもふ達だね」


 ナットーが呆れたように笑う。そう言うナットーももふもふな二匹に負けず劣らずガツガツ食べているんだよね。


 しかもお味噌汁にご飯を入れてねこまんまみたいな食べ方なんだから。なんか、モフにゃーとそっくりだよ。可笑しくて笑っちゃう。


「わたしもモリモリ食べちゃうよ」


 サナもモフにゃーとギャップに視線を向けながらおにぎりをぱくぱく食べる。その表情は幸せそのものだ。


 お母さんも美味しそうにおにぎりを食べお味噌汁の茶碗に口をつける。


「うふふ、幸せな味がするわ」


 そう言ってお母さんは、顔を綻ばせた。


「これは、日本の味がするぞ。懐かしいな」


 タイゾーおじいさんはどこか遠くを見つめる目をしている。きっと、地球のことを思い出しているのだろう。


  そして、カーナさんは、「なんだか懐かしくて涙が出そうになるわ」と言って目に涙を浮かべた。

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