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みんなの笑顔が見たい

「はい、神様。わたしは自分も周りの人もみんな幸せになってほしいと思っているよ。だって、どうしていがみ合う必要があるのかな」


わたしは、神様の青く澄んだ瞳を真っ直ぐ見つめながら言った。


「アリナ、そうだよな」


「はい。でも、わたし優しくなんてないよ。ただ、泣き顔より笑顔がみたいなと思うだけだよ」


富菜ちゃんの意地悪な顔を思い出す。叔母さんのわたしを邪魔な子と見る目や叔父さんの何故この俺がコイツの面倒を見なきゃならないんだって顔も。


思い出すだけで、ズーンと真っ暗な深い穴に突き落とされたそんな気持ちになる。


だから、わたしはもうあんな嫌な思いはしたくない。みんなで笑い合い喜びを分かち合いたい。幸せだねって笑顔を浮かべたい。ただ、それだけなんだよ。


「アリナよ。その気持ちが大切なんじゃぞ。皆の笑顔がみたいというその思いがな」


そう言った神様は、手をそっと伸ばしわたしの頭を優しく撫でた。その手からぬくもりを感じた。


今のわたしにはお父さんとお母さんにそれからモフにゃーがいる。優しくてあたたかい家族だ。プラスギャップが加わった。


それから、このカフェのオーナー兄妹のアクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃん。そして、黄色のバス揺られこの世界にやって来た仲間であるタイゾーおじいさんとカーナさん。


これからもずっと、笑顔で生きていきたいな。


「神様、幸せな世界をありがとう」


これがわたしの今の素直な気持ちだ。この世界にいる人々に幸せを与えることなんて出来ないかもしれない。


けれど、周りにいるみんなとニコニコと笑い合い生きていることが好循環になるといいな。


「ほっほ、そう言ってもらえるとわたしも嬉しいぞ」


神様はわたしの頭を優しくぽんぽんとした。お父さんにそうされた時とはまた違ったぬくもりを感じた。


そして、わたしと神様を見ているみんなの温かい眼差しに気づいた。


わたしは、みんなの顔を順番に見る。


「この世界はぽかぽかしているね」


ここにいるみんなから悪意は感じられない。それに引き替え、安莉奈時代は悪意ばかりを感じたものだった。


どうしてそんな顔でわたしのことを見るの。辛くて悲しくて泣きたくなった。長い間辛い環境にいたわたしは、新しい環境に移り安莉奈からアリナとなり再スタートを切る。


本当は地球で安莉奈として幸せを掴み取りたかった。けれど、アリナになり幼女から新たな人生を歩むのも決して悪いものではない。


だって、今のわたしには素敵な仲間がいるんだもん。


みんなはわたしのぽかぽかしているねと言う言葉に大きく頷いている。


「アリナ良かったな」


神様も神々しい表情でわたしを見ている。


「はい、この世界が大好きだよ」


 わたしも神様を真っ直ぐ見て言った。


 この世界でわたしはこれからも生きていく。


「では、アリナにもモフにゃー、タイゾー、カーナにちょっと憎たらしいギャップ、それからアクアにストロベリーナよ。別世界からこの世界へ来た者も元からこの世界に存在するものも仲良く暮らすのだぞ」


神様はそう言いながらわたし達一人一人の顔をちゃんと見る。


そんな神様の言葉にわたし達は「はい」と返事をする。


「よし、良い返事だぞ。わたしは、安心した。このグリーン王国に召還した人々や猫はこの世界の住人や動物や魔獣と助け合い生きていくことだろう」


神様は満足げな笑みを浮かべた。


「それでは、わたしは帰ろうとしよう。アリナ、タイゾー、カーナにモフにゃー、ギャップ、アクアにストロベリーナ」


神様はわたし達の名前を呼んだかと思うと順番に頭を撫でた。


「ワ、ワシの頭も撫でるのか~い!」


タイゾーおじいさんは目を丸くしびっくりしている。


「タイゾーお前もわたしがこの世界へ召還した可愛い奴じゃからな」


「か、可愛いじゃと……」


タイゾーおじいさんは頬を赤く染めびっくりしながら照れている。


「あはは、可愛い奴め。では、別世界からやって来た者とこの世界で生まれたもよ仲良くするのじゃ-」


神様はそう言ったかと思うと姿を消した。

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