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地球から異世界のグリーン王国へ

『来るべくして来た』


 アクアお兄ちゃんのその言葉がわたしの胸に響く。


「そうね、アリナちゃんは辛かったことがその地球であった。だからこそ神様がこのグリーン王国で幸せを与えてくださったのよ」


 ストロベリーナお姉ちゃんは大きく頷きながら言った。


「アクアお兄ちゃん、ストロベリーナお姉ちゃんありがとう。わたしの言ったことを信じてくれるの?」


 わたしはアクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんの顔を交互に見る。二人のその笑顔はとても優しかった。


 もしかして、この世界に召喚されたのはアクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんに出会うためでもあったのかな? なんて思えてきた。


「信じられないような話だけどアリナちゃんがウソをついているように見えないもんな。俺は信じるよ」

「わたしも信じるよ。アリナちゃんはきっと、神様から素晴らしいプレゼントをもらったのよ」


 アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんのその言葉が嬉しくて涙が出そうになった。


「アクアお兄ちゃん、ストロベリーナお姉ちゃん信じてくれてありがとう」


 わたしは泣くのを我慢していたけれど、気がつくと涙がポロポロと零れ落ちていた。


「アリナちゃん泣き虫なんだから」


 ストロベリーナお姉ちゃんがそっと手を伸ばしわたしの頭を撫でてくれた。その手から温もりを感じた。


 アクアお兄ちゃんも優しい眼差しを向けてくれている。


 こんなに愛されていいのかな。なんてちょっと怖くなる。


「アリナちゃんは異界人だったのか!」


 それまで黙っていたギャップがガォーと吠えた。


「うん、そうだよ。地球っていう青くて美しい惑星に住んでいたんだよ。でもね、わたしには合わない環境だったんだよ」


「そうだったのか……ガォー」


 ギャップはしんみりした表情になり俯いた。


「ギャップちゃん、そんな顔しないで。わたし、今幸せなんだよ」


 わたしはとびっきりの微笑みを浮かべた。だって、今は本当に幸せなんだもん。


「そ、そうか。それは良かった。ガォー」


 ライオン魔獣鳥であるギャップまでもがわたしの幸せを喜んでくれた。この世界は優しい人や動物で溢れかえっている。


 地球もきっと、優しい人もいたはずだし安莉奈時代の十八年間の間に会ってきたのかもしれないけれど、わたしが過ごしやすい世界はこのグリーン王国だ。


「ねえ、アリナちゃん」

「ん? モフにゃーなあに?」

「黄色のバスってなあににゃん?」


  もふニャーは可愛らしく首を横に傾げる。


「やっぱりもふニャー覚えていないの?」

「んにゃん? 覚えていないって何をにゃん」

「だから、もふニャーも黄色のバスに乗って来たことをだよ」


 もふニャーはしばらくぽけーとした顔でわたしを見ていた。


「うにゃん。なんかここまで出かかっているんだけどにゃん。思い出せないにゃん」


「そっか、もふニャーは黄色のバスに乗ってこの世界にやって来たことも普通の猫ちゃんだったことも覚えていないんだね」


何となくそうだと思ってはいたけれど、もふニャーは地球時代のことを忘れていたんだ。


わたしは風邪を引き寝込んでいた三歳の誕生日に神様に封じ込められていた記憶を思い出した。


この世界とは異なる地球という青い惑星の中にある日本でわたしは生きていたということを。もふニャーは辛かったことも全部忘れてわたしの眷属聖獣猫として生きてきたんだね。


「アリナちゃん、どうしたにゃん?」


もふニャーはわたしの目を真っ直ぐ見つめ問いかけた。


「もふニャー、忘れていたほうが幸せなこともあるかもだよ」


「うにゃん? 何故だにゃん?」

「うん、それはね、今幸せなのに辛かったことを思い出し胸が痛くなったりするらだよ」


わたしはもふニャーの目を真っ直ぐ見返し答えた。


「よくわからないけどアリナちゃんがそう言うならきっと、そうだにゃん」


もふニャーは納得したように頷いた。


いつも読んで頂きありがとうございます。

モフにゃーは地球時代のことは覚えていないようです。

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