地球と異世界
わたしもアクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんをじっと眺めそれからスープに視線を向ける。
これはきっと、実は似た環境で育ってきたから何じゃないかな?
アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんはこの異世界で。わたしは地球の日本ではあるけれど。
「うん、不思議なことって生きているとたくさんあるんだよ」
「幼女が人生について語るなんてな」
「アリナちゃんはしっかりしているんだもんね」
わたしは幼女だけど十八年間生きた安莉奈の記憶が残っているんだもんね。今はまだ話さないけれど。内緒だよ。
「うん、わたしはしっかりした幼女なんだ〜よ」
わたしは笑ってみせた。
「うふふ、アリナちゃんってば」
「あはは、アリナちゃんしっかりした幼女って自分で言うのかよ」
アクアお兄ちゃんは呆れたように笑う。けれど、わたしを見るその目はとても優しかった。
「う〜ん、美味しかったにゃ〜ん」
「めちゃウマなお味だぞ。ガォ~」
すっかり忘れていたもふもふな二匹は美味しそうな顔でニンマリ笑っていた。
「リンゴのお菓子はまだかにゃん」
「早くリンゴのお菓子を持って来てくれよな」
モフにゃーとギャップは目をキラキラと輝かせている。どれだけリンゴが好きなんだか……。でも、可愛らしいから許しちゃう。
「モフにゃーにギャップちゃんは食いしん坊だね。美味しいリンゴのお菓子だよ。じゃあ待っててね」
ストロベリーナお姉ちゃんはパタパタと厨房へ向かう。
「家のリンゴを盗み食いしたくせにさ。呆れたもふもふだよ」
アクアお兄ちゃんは二匹をちらっと見てボソッと呟く。
「わたしも早く食べたいな〜」
モフにゃーとギャップに呆れつつも食いしん坊の血が騒ぐ。甘くて爽やかなリンゴの香りが口の中いっぱいに広がる。そんなイメージをするだけで堪らない。
もう待てないよ。
なんてリンゴで頭の中がいっぱいになっていたその時。
カランカランとドアベルが鳴った。お客さんが来たみたいだ。
何気なく入って来たお客さんを見ると、どこかで会ったことがあるような気がする。誰かな?
そのお客さんは、白髪頭のおじいさんとゆったりとしたグリーン色のワンピースに身を包んだ年配の女性だった。
この世界でおじいさんと年配女性に知り合いなんていたかなとぼーっと見る。それにしてもあの二人は日本人ぽい顔だ。
家のカフェ食堂のお客さんかな? とも考えてみたけれど、日本人ぽい顔だったらよく覚えているはずだよね。
うーん、わたしは顎に人差し指と親指を当て日本人ぽい顔の二人を観察する。
すると、その日本人ぽい顔のおじいさんと年配女性はわたし達の隣の席に腰を下ろした。
「アリナちゃんどうしたにゃん?」
隣の二人をじっと見ているとそれに気がついたのかモフにゃーが声をかけてきた。
「あ、うん、隣に座った人見覚えがあるなって思ったんだよ」
わたしは隣の二人にチラチラ視線を向けながら答えた。




