食いしん坊
この日のわたしは創造魔法を使い親子丼と納豆を創造した。もっとレパートリーを増やせると思うけれど、今日のところは親子丼と納豆だけにしておいた。
「アリナの親子丼は大好評だな〜」
お父さんがニコニコと最高の笑顔をみせた。
「アリナの親子丼は本当に美味しいものね」
お母さんもニコニコ笑顔だ。
「えへへ、ありがとう」
わたしはちょっと照れ臭くて頭をポリポリ掻く。
「アリナちゃんの親子丼はふわふわとろとろで美味しいにゃん」
「感動的な味だぜ」
「ありがとう。ん? ってちょっと待ってよ。どうして、モフにゃーとギャップちゃんは親子丼を食べているのかな?」
信じられないことに二匹はそれはもう幸せそうな表情でアリナ特製の親子丼を食べているのだった。
「にゃはは、テーブルに置かれていたにゃん。食べてくださいって親子丼に言われたような気がしたにゃん」
「右に同じだぜ。俺も親子丼に食べてくださいと言われたんだよ」
モフにゃーとギャップは舌舐めずりをしながら言った。
「……モフにゃーとギャップちゃんはソックリだね」
わたしは食いしん坊で愛らしい二匹を眺めクスクス笑う。
「似ていないにゃん」
「モフにゃー主に似ていたら光栄だが似ていないぞ」
モフにゃーとギャップはぷくっとほっぺたを膨らます。その姿は、やっぱりどことなく似ていた。同じネコ科の動物だからかな。あ、ギャップは鳥類でもあるのかな?
「ねえ、アリナちゃんどうして笑っているの?」
「何故笑っているのだ?」
「うふふ、さあね。では、わたしはお隣の食堂に行って来るね」
わたしはモフにゃーとギャップに手を振った。
「え! 待ってにゃん」
「待ってくれよ」
モフにゃーとギャップはトテトテにゃん、トテトテとわたしのあとを追いかけてきた。
わたしは赤茶色がとても可愛らしいお隣の食堂の前に立っている。
「あれ? モフにゃーにギャップちゃんは親子丼を食べてお腹がいっぱいだよね。どうしてついてくるのかな?」
わたしは振り向きついてきた二匹のもふもふに言った。
「わたしは食べ盛りなのにゃん」
「俺も食べ盛りだぜ」
「ふ〜ん、そうなんだ。まあいっか」
困ったもふもふ達だよと呆れつつわたしは木製の扉を開く。
店内に足を踏み入れると白を基調とした明るい空間だった。棚にはティーカップやティーポットが飾られている。
たくさんの人や動物達で賑わっているけれど、お客さん同士の間隔が広くてゆったり落ち着いて過ごせる空間になっていた。
「いらっしゃいませ〜」
と店の奥からアクアお兄ちゃんの声が出迎えてくれた。
「あれ? アリナちゃんじゃないか。モフにゃーにギャップちゃんもいるね。お〜い! ストロベリーナ、アリナちゃんとモフにゃーにギャップちゃんが来てるぞ」
アクアお兄ちゃんは店の奧に声をかけた。
「わっ、アリナちゃんにモフにゃーちゃんが来てくれたのね。ギャップちゃんってお友達かな〜」と言いながら店の奧から出てきたストロベリーナお姉ちゃんがこちらに向かってきた。
「えへへ、来たよ。ストロベリーナお姉ちゃんこんにちは」
わたしは元気よく挨拶をする。
「もういつ来てくれるのかなって思っていたよ。モフにゃーちゃんもようこそ」
「こんにちはにゃん。わたしお腹がペコペコだにゃん」
さっき親子丼を食べたばかりなのによく言うよ。モフにゃーの奴め。
「うふふ、お腹がペコペコなのね。あれ? その子はまさか!!」
ストロベリーナお姉ちゃんはギャップに気がつき目を大きく見開く。
「俺はギャップだぞ」
ギャップは挨拶もきちんとしないでふふんと胸を張った。
「あ、あの百獣の王鳥であるラ、ライオン魔獣鳥なのかな? なんかちんまりとしているけど」
ストロベリーナお姉ちゃんはじっとギャップを見る。




