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モフにゃーは主だにゃん

「なるほどにゃん。ギャップちゃんアリナちゃんが怖がっているにゃん。巨大化するのはやめるのだにゃん」


 わたしから視線をギャップに移したモフにゃーは、頼もしいことを言ってくれる。


「へ! 何故だ。この俺のカッコいい姿を見たいと言う人間がいるんだぞ」


 ギャップは可愛らしい肉球のある手でアクアお兄ちゃんを指差す。


「まあ、俺はライオン魔獣鳥の本来の姿を見てみたい気もするけどね」


「ほら、この人間は見たいと言っているじゃないか」


 ギャップはモフにゃーに視線を戻しニヤリと笑う。



「アクアちゃんはどうしてもギャップちゃんの本来の姿を見たいのにゃん?」


「いや、どうしてもってことはないけど。って、おい、アクアちゃんてなんだよ。ちゃん付け呼びするなよ」


「うにゃん。だって、ちゃん付け呼びした方が可愛らしいにゃん」 


「はぁ? 可愛らしいって俺は男だぞ」


 アクアお兄ちゃんは、ふぅーと溜め息をつく。


「それで、アクアちゃんはギャップちゃんの本来の姿をどうして見たいってことじゃないんだにゃん?」


「ああ、アリナちゃんが怖がっているみたいだからね」


「そうか。だったらギャップちゃんは巨大化禁止だにゃん」


 モフにゃーは左手を腰に当て、右手でビシッとギャップを指差す。


「は? 禁止命令かよ。モフにゃー主は偉そうだな」


 ギャップは納得いかない様子だ。


「だって、わたしはギャップちゃんの主なんでしょうにゃん?」


 モフにゃーは主らしく威張る。


「うっ……それはそうだけどな……」


 ギャップは仕方がないといった感じで項垂れた。


こうしてギャップの巨大化騒動はモフにゃーの活躍により幕を閉じたとさ。


 なんだけれど……。


「巨大化はしなくても良いがチビッコライオン魔獣鳥は犬鳥と一緒に家のリンゴを盗み食いしたのかな?」


 アクアお兄ちゃんのアクアマリン色の瞳はギャップをじーっと見つめている。


「ん? リンゴの木に美味しそうな実がなっていたから食べていたんだよ。俺に食べてくれって言っているみたいだからさ」


 ギャップは自分の都合の良いように解釈している。


「あのね、そのリンゴの木は家の庭にあるんだけどな……」


「ホッ、あのリンゴの木は人間、あ、アクマだったけなの庭の木だったのかい」


 ギャップは大きく頷く。


「……アクマじゃない。アクアだ。それと、人の家のリンゴを勝手に食べてその得意げな顔は何なんだ」


 アクアお兄ちゃんはそれはもう深い溜め息をついた。


「そこにリンゴがある。お腹が空いていた。だから食べた。これって当たり前の行動だろう?」


「は? 当たり前の行動? このライオン魔獣鳥の感覚が俺には理解できない」


「アクアお兄ちゃん、ギャップちゃんはつい最近まで野生動物だったの。だから許してあげてね」


 わたしは顔の前で手を合わせギャップの代わりに謝った。


 そして、「ギャップちゃん人の家にあるリンゴは勝手に食べたらダメなんだよ」とギャップに言う。


 ギャップはきょとんとしている。野生動物だったギャップは理解していないみたい。ゆっくり覚えてもらうしかないかな。


「アリナちゃんはいい子だな。まあ、仕方ない。今回は特別に許してやろう」


 アクアお兄ちゃんはそう言って目線をわたしに合わせ頭を優しく撫でてくれた。


「アクアお兄ちゃん、ありがとう」


 もし、わたしにお兄ちゃんがいたらこんな感じだったかな。


「さて、リンゴのことは取り敢えず良しとしよう。それで、アリナちゃんはいつ俺達の食堂にご飯を食べに来るのかな?」


 アクアお兄ちゃんはそう言って悪戯っぽく笑う。


「あ、ごめんなさい。忘れていた〜」

「なんだって! 忘れていたのかよ」

「えへへ。ちょっといろいろ忙しかったんだよ」

「そうかよ。あのライオン魔獣鳥のギャップとモフにゃーの世話もあるようだし大変だよな」


 アクアお兄ちゃんが視線を向けている方向に目をやると、ギャップと犬鳥がリンゴの取り合いをしていた。それはまあそっかなって感じなんだけれど……。


「モフにゃー! どうしてリンゴの盗み食いに加わっているの」


 なんとモフにゃーもチャームポイントでもあるちょこんと飛び出している長い牙でリンゴにかぶりついているのだった。


「んにゃん?」


 と、こちらに振り返り一度返事をしたものの直ぐにリンゴに視線を戻しガツガツ食べる。


「アリナちゃんの周りにいる動物はみんな食いしん坊だよな」


 アクアお兄ちゃんは諦めたように笑う。


「……アクアお兄ちゃんごめんね」

「アリナちゃん謝らなくてもいいよ」


 出会った時は意地悪だったアクアお兄ちゃんは意外と優しかった。


「モフにゃー、ギャップちゃん。朝ごはんが食べられなくなるよ〜」


 と言ったのに二匹は返事もしないでガツガツ食べている。


「さて、俺は花の水やりをするよ」


 よく見るとアクアお兄ちゃんはジョウロを手に持っていた。


「じゃあまたね。アクアお兄ちゃん。わたしは朝ご飯の時間だ」


 わたしはアクアお兄ちゃんに手を振りモフにゃーとギャップをそのまま残し家に入った。


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