みんなで食べる大学芋は幸せの味
「美味しそうじゃないか。どれ、お父さんも食べたいな。アリナの料理かい?」
お父さんは興味津々な表情でお皿に盛られている大学芋に目を落としている。
「うん、そうだよ。わたしが創造魔法で創ったんだよ。お父さんもどうぞ〜」
わたし達だけで食べていたことはちょっと後ろめたいけれど素直に答えた。
「そうかそうか、アリナの創造料理だね。お父さんにも食べさせてくれるんだね」
わたしに激甘なお父さんは、にこーっと笑った。
「うん、どうぞ〜あ、モフにゃー小皿を持ってきて」
「了解だにゃん」
モフにゃーが持ってきてくれた猫柄の小皿に大学芋を盛り付けた。
「こ、こ、これが大学芋なんだね!」
大学芋を頬張ったお父さんは目を大きく見開く。
「えっと、口に合ったかな?」
わたしはちょっとドキドキしながら聞いた。
「お、お、お……」
「お、お、おって?」
「美味しいぞ。ほっぺたが落っこちそうだぞ」
お父さんはくぅーと美味しそうな顔になりほっぺたに手を当てる。
「美味しかった。良かった〜」
わたしはほっとして笑顔になる。ついでに大学芋をもう一つ口に放り込む。
「う〜ん、美味しいよ」
わたしもお父さんと同じくほっぺたに手を当てた。
モフにゃーとギャップも大学芋を食べほっぺたに手を当てる。
もう、みんなで「美味しい〜」とくぅーとなる。お父さんも加わりみんなで食べると幸せがパワーアップした。
その時、「アリナにお父さんは何処へ行ったのかしら?」と言いながらお母さんが洗い場に入って来た。
わたし達は口いっぱいに大学芋を放り込んだ状態で振り向く。
「あらあら、お父さん! アリナを探しに行ったはずなのに何を食べているのかしら?」
お母さんはびっくりしたように目を見開きお父さんの顔を見る。それから順番にわたし達の顔も見た。
「大学芋だぞ〜アリナの創造料理だよ。美味しいぞ」
お父さんはもぐもぐと大学芋を食べながら返事をする。
「あらあら、美味しそうね。ってもう、お父さんはアリナを探しに行ったんでしょう」
「うん、そうなんだがこの大学芋っとやらが美味しくてたまらないんだよ」
お父さんはそう言いながら大学芋をもう一つ食べた。
「くぅ〜美味しいな」
ほっぺたに両手を当てそれはもう幸せな表情になる。
「あらあら、そんなに美味しいのかしら?」
お母さんもわたしが創造した大学芋に興味津々になったようだ。
「お母さんも大学芋食べる? どうぞ〜」とわたしはにっこりと微笑みを浮かべた。
「うふふ、そうね。美味しそうね。わたしもいただこうかしら」
「モフにゃー小皿をお願いね〜」
「了解だにゃ〜ん」
お母さんも猫の小皿に盛り付けられた大学芋をそれはもう美味しそうに食べた。
「お、美味しいわ」
お母さんは感嘆の声を上げた。
どうやら大学芋はお母さんのお口にも合ったようだよ。
「アリナ特製の大学芋だよ」
「大学芋なのね。おいもが甘いなんて不思議な料理ね。とても美味しいわ」
お母さんは幸せそうな表情で大学芋をもぐもぐと食べる。
「えへへ、お母さんありがとう」
「こちらこそよ。アリナ」
お母さんはほっぺたに両手を当て「う〜ん、それにしても美味しい」と言った。
「わたしももう一つ食べよう」
やっぱりほくほくな食感とカリカリッでサツマイモに絡まった蜜が甘くて堪らなく美味しい。
わたしは幸せだ。
だって、美味しくて、それにわたしの創造した大学芋を食べ、モフにゃーもギャップもそれから、お父さんとお母さんも笑顔を浮かべているんだもん。
グリーン王国に来るまでは考えられないことだ。
みんなでもぐもぐと美味しくて幸せな時間を過ごした。
「あ、サナちゃんとナットー君を忘れているじゃない!」
お母さんが大きな声を出す。
「おっと、そうだったな」
お父さんは口元に手を当てる。
「わっ、すっかり忘れて食べることに集中しちゃったね」
わたしはそう言ったのとほぼ同時に「あ、そうだ。サナちゃんとナットー君に大学芋をお持ち帰り用に創ってあげようかな〜」と思いついた。
「アリナそれは名案だね。きっと、二人は喜ぶぞ」
お父さんはこちらに視線を向けニヤリと笑った。
「喜んでもらえるように美味しい大学芋を思い浮かべるね」
わたしはよっしゃと腕まくりをした。




