名前を発表しますにゃーん
「名前を発表しますにゃ〜ん!」
モフにゃーはにゃぱーと笑いわたしとライオン魔獣鳥の顔を交互に見る。
「ほっほ〜これはワクワクの瞬間じゃな」
「なんかわたしまでドキドキしちゃうよ」
わたしとライオン魔獣鳥はモフにゃーに期待のこもった熱い眼差しを向けた。
「にゃ〜ん! ライオン魔獣鳥の名前はギャップと決定しましたにゃん」
「ギャップ」
「ギャップかい」
わたしとライオン魔獣鳥はほぼ同時に言った。
「はいにゃん。ライオン魔獣鳥は見た目怖いけど、中身が可愛らしくてギャップがあるなと感じたのでギャップと付けたにゃん」
そう答えたモフにゃーは得意満面の笑みを浮かべた。
「あはは、そうかい。俺の名前はギャップだな。これは嬉しいぞ」
ライオン魔獣鳥改めギャップはガォーと吠えた。
うわぁー吠えないで。喜んでいるみたいだけど怖いってばもう……。
わたしとモフにゃーはライオン魔獣鳥ことギャップを引き連れて『ほのぼのにこにこカフェ食堂(アリナのお料理もございます)』に戻った。
「う、うわぁ〜ラ、ライオン魔獣鳥だ〜!!」
「きゃあ〜!! ラ、ライオン魔獣鳥だわ〜!!」
お父さんとお母さんは大声で叫んだ。まあ、そうなるよね。
「何だ? 俺の顔を見て叫んでいるのかい? 俺はギャップだ。よろしくな」
ギャップはガォーガォーあっはっはと笑った。
笑うギャップ。その恐ろしさに震えるお父さんとお母さん。
「ん? お二人さんはどうしたんだい?」
ギャップは不思議そうに首を横に傾げる。
「ギャップさん。お父さんとお母さんは怖がっているかなと思います」
「へ? このカッコいい俺が怖いのか!!」
「だって、猛獣の姿に羽が生えているんだもん……わたしもまだちょっと怖いよ〜」
「ふ〜む、そうかい。では、こうしよう。チビッコサイズになるぞ」
「へ? チビッコサイズ」
「チビッコサイズにゃん?」
わたしとモフにゃーがほぼ同時に言った。
「そうだよ。ふっふん」とライオン魔獣鳥は言ったかと思うと、なんとその体がしゅるるーと小型化した。
え!!
なんと、ライオン魔獣鳥は猫ちゃんサイズになっていたのだ。
びっくりした。
「ラ、ライオン魔獣鳥が猫ちゃんサイズになっているよ」
わたしはギャップを指差して言った。
「ほっほ、俺のこの姿はどうだい? カッコいいだろう?」
猫ちゃんサイズになったギャップは得意げに胸を張る。
「か、可愛い〜まるで猫ちゃんみたいだよ」
わたしは目をキラキラ輝かせギャップを見る。なんかもう可愛らしいんだもん。ぎゅっとしたくなるくらいだ。
「なぬぬ、俺が可愛らしいとは……! この立派な風格があるたてがみ見えんのかい!」
「だって、猫ちゃんサイズでプリティーなんだもん」
わたしはあんなに怖かったはずのギャップに今はちょっとキュンとしちゃっている。これこそ正にギャップだよ。なんてね。
「にゃはは、ギャップちゃんってばちょっとわたしに似てるにゃんね〜」
モフにゃーも楽しそうに笑う。
「なぬぬ、この俺が主の猫ちゃんに似ているとは……それにちゃんって俺は男だぞ」
「猫ちゃんじゃないにゃん。聖獣猫だにゃん。さっきもそう言ったにゃん」
モフにゃーはちょっとぷりぷりしてほっぺたをぷくっと膨らませた。
「そうだったな。主は聖獣猫かい。まあ、俺も猫科&鳥だからな。似ているのかもな……」
ギャップは納得したのか首を縦にふりウンウンと頷いている。
一方、お父さんとお母さんは。
「あれま小さくなったな」
「可愛らしいサイズになったわね」
驚きつつも怖さが半減してほっとしたようだ。
ライオン魔獣鳥の名前がギャップに決定しました。




