アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんの笑顔
「さて、アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんに美味しいと言ってもらえる日本料理を作らなくっちゃね」
わたしがそう言いながら気合いを入れていると、わたしの周りをうろうろとする何かがいる。
「わたしおにぎりをもぐもぐしたいにゃん」
「俺は大根をまるっと食べたいぞ」
「俺は親子とやらをまるっと食べたいな」
もふもふした何かが勝手なことをブツブツ言っている。だけど、知らないもんねとわたしは無視することに決めた。
意識を日本料理へ向けよう。もふもふ達はぽーいぽーいと脇に避けてっと。
アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんの弾ける笑顔をイメージしよう。そうだ、ここへ初めて来店したあの日、アクアお兄ちゃんとストロベリーナお姉ちゃんは、オムライスを喜んで食べてくれたな。
二人は頬を緩ませスプーンが止まらない勢いでオムライスをはふはふもぐもぐ食べていた。
『このオムライス美味しい〜たまらない美味しさだよ。ちょっと甘くて幸せ』
ストロベリーナお姉ちゃんは幸せそのものだーって表情で食べてくれたね。
一方アクアお兄ちゃんは確か。
『く、く、クソ〜』と叫び、『悔し〜い!!』と言ったよね。しかもなぜだかぷるぷる肩を震わせていた。美味しかったんだよね。
わたしは初来店の二人を思い出すとほくほくと胸があたたかくなった。




