日本料理の注文
「あ、は〜い」
わたしは調理場のお父さんに向かって返事をする。えへへ、日本料理の注文をもらうとやっぱり嬉しい。でもね……。
「今、日本料理の注文が入ったみたいにゃん」
「ん? ニホン料理の注文と聞こえたぞ。ガォ~」
「ニホン料理ってあの美味しいやつだろう」
ほらね、やっぱりだ。もふもふ三匹が反応しちゃうんだよね。
「君達のご飯じゃないよ」
わたしは三匹のもふもふ達を順番に見て言ったのだけど、聞いちゃいない。毎度おなじみの光景だ。
「わたしおでん食べたいにゃん」
「この前食べたあのおでんとやらは最高だったな。あ、親子丼も食べたいぞ。ガォ~」
「ん? 親子丼とは何だ? 丸呑みにぴったりな名だな」
ああ、また始まったよ。わたしアリナは、いつの間にやらこの食い意地の張ったもふもふのお世話係になってしまったみたいだよ。
「ねえ、モフにゃーにギャップちゃんに日焼けちゃんってばわたしの話を聞いているのかな?」
「親子丼とは親子なんだよ」
「は? 親子を゙丸呑み出来るのかい?」
「ギャップちゃんってばなんか説明の仕方がおかしいにゃん」
なんて、このもふもふ達は勝手なことばかり言っている。それと、モフにゃーあのね、君もおかしいからね。
モフにゃーはこちらを見てきょとん首を横に傾げた。




