みんながいるから幸せだね
もふもふもふもふと、三匹のもふもふ達は仲良くもふもふタイムを楽しんでいる。
わたしが羨ましいなとぼんやり眺めていると、「アリナちゃんも参加しようよ」とモフにゃーが肉球のある可愛らしい手で手招きしてくれた。
「あ、うん、ありがとう」
わたしは微笑みを浮かべもふもふタイムに参加する。三匹のもふもふ達に囲まれていると、まるでわたしももふもふになった気分になる。
なんて、もふもふタイムが開催されているけれど、確か日焼け物語の途中であったはずなんだけどね。まあいっか。だって、幸せなんだもんね。
「あ、そうだった。俺日焼けの物語を語っていたんだった」
日焼けは思い出したと手をぽんと叩いた。
「このまま聞いてやるぞ」
「聞いてあげるにゃん」
「聞くよ」
わたし達はもふもふタイムを満喫しながら言った。
「そうか、では日焼け物語の再開だぞ」
日焼けはわたし達を順番にぎゅっと抱きしめながら語り始めた。
「俺は聖獣達には怖がられるし親は一週間で達者でなと言って何処かへ行ってしまったのだ。それから俺は一匹で寂しくカッコよく生きてきたんだぜ。そして、つい最近モフにゃー主にテイムされたってわけだ」
日焼けはニヤリと笑い「これが真っ黒魔獣日焼けの物語だ」と言った。
「日焼けちゃんも孤独だったんだね……」
わたしはそう言いながらここには孤独だった者達が集まっているんだなと思った。そして、今幸せに生きている。




