やっぱり仲良しかな
「俺はこの世に誕生したその時から格好良かったのだ。自分で言うのもあれだが真っ黒でカッコよくそして可愛らしかった。だがしかし……」
自信満々に語っていた日焼けの顔が一瞬歪んだ。
そして、日焼けが続きを話した内容は。
「あの魔獣さんまっ黒こげだよ」
「しっ、こら。聞えたらどうするのよ。真っ黒魔獣は凶暴なのよ」
リス聖獣の可愛らしい親子が真っ黒な俺をチラチラ見て言った。
『さあ、襲われたら大変よ。行きましょう』
『うん、あのまっ黒こげな魔獣さんは恐ろしいんだね』
そんな話をコソコソしながらリス聖獣の親子はすたこらさっさと逃げた。
「俺はリス聖獣を襲ったりしないのにと悲しくなったよ。まあ、ほんのちょっぴり美味しそうと思ったけどさ……」
日焼けは寂しそうに俯き呟いた。なんか、美味しそうという言葉も聞こえたような気がするけれど、やっぱり可哀想だなと思う。
「俺達はなんだか似ているよな……」
ギャップが日焼けの肩に手を置きしんみりと呟く。
「ああ、そうだな。俺達は似た者同士かもな……。でも、ギャップちゃんと仲良くなれて良かったぜ」
ギャップが肩に置いた手を日焼けが握る。
「日焼けちゃん……」
「ギャップちゃん……」
二匹の魔獣はさっきまでケンカをしていたかと思うともう仲良しだ。
「ギャップちゃんと日焼けちゃんの友情に感動したにゃ〜ん。わたしは聖獣猫だけど二匹の魔獣が大好きだにゃん」
モフにゃーはそう言ってニコニコにゃんにゃんな笑顔だ。




