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ライオン魔獣鳥

アリナの日本料理もメニューになります。

そして。


 今日からわたしアリナの創造日本料理がメニューに加わることになった。

 

 もこもこした茅葺き屋根が可愛らしいほのぼのにこにこカフェ食堂の前にわたしは立つ。看板を見てにっこりと微笑みを浮かべる。


「えへへ、嬉しいな〜」


「アリナちゃんご機嫌だにゃん」


「うん、だって、看板に『ほのぼのにこにこカフェ食堂(アリナのお料理もございます)』って書いてあるんだもん。嬉しくって飛び上がってしまうよ〜」


 わたしは、言いながらぴょーんと飛び跳ねてしまう。


「アリナちゃんってば飛び跳ねているにゃん」


「あはは、だって、嬉しいんだもんね。ってモフにゃーも飛び跳ねているよ〜」


 そうなのだ。わたしの隣に立つモフにゃーもぴょーんと飛び跳ねているのだ。もう可愛らしいんだから。


「アリナちゃんの喜んでいる姿を見るとわたしも嬉しくなっちゃうんだにゃ〜ん」


「もう、モフにゃーは可愛いことを言うなぁ〜」


 わたしはモフにゃーの頭をナデナデした。今日ももふもしていて柔らかい毛並みが触り心地が良くて最高だ。癒やされるよ。


「モフにゃー大好きだよ」


 わたしは、モフにゃーに顔を埋めた。




 ああ、わたしは幸せだ。


その時。空からバッサバッサと激しい音が聞こえてきた。なんだろう? まさか犬鳥かなと思い顔を上げる。


 すると、わたしの頭上に向かって犬鳥よりも数倍怖いライオン魔獣鳥が飛んで来た。


「きゃあ〜!!」とわたしは叫ぶ。


 ライオン魔獣鳥は輝く金色のたてがみを持ち爪は鋭い。そして、顔と体は地球にいるライオンによく似ていてその背中に大きな羽根が生えている。


「ア、アリナちゃん!!」


 モフにゃーも叫ぶ。


「た、助けて誰か!!」


 ライオン魔獣鳥はこちらに向かって物凄い勢いで飛んでくる。


 どうしよう。怖いよ……。逃げようと思うのに恐ろしすぎて全身が硬直して動けない。


「アリナちゃんをわたしが助けるにゃ〜ん!」


「モフにゃー危ないよ。逃げて!」


「大丈夫だよ。わたしはアリナちゃんの眷属だもんにゃん。主を守るにゃん。それがわたしの使命だにゃん」


 モフにゃーはそう言ったかと思うと、耳を後方に倒し背中の毛を逆立て牙を剥き「シャーにゃーん!!」と声を出した。


 いつもの可愛らしいモフにゃーの姿から考えられないほど恐ろしい顔だけど、なんだかカッコいい。思わず拍手をしてしまいそうになる。


 なんて、モフにゃーのカッコいい姿に感動している場合ではない。


 だって、相手は凶暴なライオン魔獣鳥なんだよ。


「モフにゃー!!」


 わたしは大きな声を出して叫んだ。けれど、ライオン魔獣鳥はこちらにどんどん向かってくるし、モフにゃーはそのライオン魔獣鳥に立ち向かおうとしている。


 どうしょう!!


 自分の力の無さが悔しいよ。


 ライオン魔獣鳥は、わたしをめがけて飛んでくる。あまりの恐怖に体がブルブル震える。


 そして、そのライオン魔獣鳥がわたしの頭上スレスレに飛んできて足で頭を蹴られそうになる。


 もうダメだ!! と思ったその時。


「ならぬにゃん!!」とモフにゃーが大きな声を上げた。


「モ、モフにゃー!」


「アリナちゃんに攻撃しようとするにゃんてこのわたしが許さんにゃ〜ん!!」


 モフにゃーのその声はとても鋭かった。


 一方、ライオン魔獣鳥はガォーガォーと迫力満点な声で鳴いた。


 わたしはあまりにも恐ろしくて目をギュッと閉じた。

 

 シャーにゃおーん!!

 ガォーガォーグガォー!!


「モフにゃー!!」


 わたしは叫ぶことしか出来なかった。グリーン王国は普段は平和だけど、時々恐ろしいことがある。


 怖がっている場合じゃない。わたしの大切なモフにゃーに何かあってからでは遅すぎる。


 わたしも戦おう若しくはモフにゃーと一緒に逃げようと思い勇気を出して目を開けた。すると。

ライオン魔獣鳥の登場です。

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