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みんなでスヤスヤ


 日焼けは、ヨダレを垂らしながら寝ている。きっと、さっき食べた魚の夢でも見ているんだろうな。


「もう、日焼けちゃんってば夢の中でも食事中なんだね」


 わたしは可笑しくなり笑う。因みに魚は丸呑みしているのかな。もふもふ達の眠る姿を見ているとほのぼのしてきてそして、眠たくなってきた。


 洗い物をしなくちゃねと思うんだけど、体がぽかぽかしてきてうとうとしちゃう。起きなくては、でも、もふもふ達が流し台の下に並んで寝ているから洗い物は出来ないよと、わたしは言い訳をしておやすみなさいだよ。


 気がつくとわたしもスヤスヤと眠りの世界へとこんにちはをしていた。夢の中でのわたしも三匹のもふもふに囲まれていた。あたたかくてふわふわで心地よい。


「お〜い、アリナよ。可愛らしきアリナよ」


 ちょっと低めの声ではあるんだけど、なんだか甘たらしくてとろけるような声が聞こえてきた。スヤスヤと気持ちよく寝ているのにうるさいよ。


 今、わたしはもふもふ達とお昼寝をしているんだからね。邪魔しないでください。


「お〜い、アリナよ。可愛い寝姿だな。もふもふさん達も可愛いぞ」


 紅茶にたっぷり砂糖を入れたような甘い声がわたしの耳元に囁く。ミルクもたっぷりかも。うわぁーん、心地よい眠りが妨げられる。


「でもな、アリナよ。洗い物がたくさんあるんだよ。流し台の下で寝ていると仕事が出来ないぞ」


 今、仕事と聞こえたような気がする。わたしは、何をやっていたのかな? と、夢の中で考えた。あ、そうだった。


「わたし、仕事の途中だったよ」と言葉を発し飛び起きた。


 すると、目の前にちょっと困り顔のお父さんがいた。


「あれ? わたしいつの間にか寝ていたの」


 周りを見渡すともふもふ三匹が流し台の下でスヤスヤと眠っていた。そして、流し台のシンクには食器が山積みになっていた。


「えへへ」とわたしは頭を掻いてごまかした。

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