のり弁当をお届けします
それからね、タルタルソースをかけた白身魚のフライにちくわの磯辺揚げにきんぴらごぼう、卵焼きを海苔を敷いたご飯の上に綺麗に盛り付けよう。
地球の日本でこののり弁当を初めて食べた日、シンプルだけど美味しいなとほっぺたを落っことしそうになった記憶が微かに残っている。
きっと、グリーン王国の人も喜んでくれることでしょう。
「えへへ、アリナ特製ののり弁当の完成で〜す」
わたしがそう言ったのとほぼ同時にじゃーんと湯気の立ったのり弁当が舞い降りてきた。
「わたしのイメージした通りののり弁当だ」
懐かしいのり弁当に思わず食べたくなってしまう。けれど、これはお客さんののり弁当だ。わたしは、もふもふ達みたいに食べたりしないもんね。
チラリともふもふ達に視線を向けると、まだ、明太子と高菜を食べていた。食いしん坊だけど、やっぱり可愛らしい奴らめ。
「さて、わたしはお客さんの元ににのり弁当を運ぶぞ」
お盆に出来立てほやほやののり弁当と湯気の立つ緑茶を載せた。そして、お客さんの元へとてとてと向かった。ん? なんだろう? と視線を感じたので振り向くと。
わたしの後ろににゃんにゃんにゃんとモフにゃーがついてその後ろにギャップと日焼けもついて歩いていた。
ありゃま、わたしアリナともふもふがお客さんにのり弁当をお届けします。きっと、美味しいはずだよ。




