創造料理
「じゃあ、頑張ってね」とお父さんは手を振り厨房に戻る。そんなお父さんの後ろ姿を眺めながらわたしは元気よく返事をしたものの何を創造したら良いのやらと、頭を抱えてしまう。
「う〜ん、困ったな」
「アリナちゃんどうしたにゃん?」
「うん、お任せコースって嬉しいけどちょっとプレッシャーになるな」
わたしの顔を覗き込むモフにゃーに答えた。
「アリナちゃんの食べたいものでいいんじゃないのにゃん」
モフにゃーは肉球のある可愛らしい手で優しくわたしの背中をぽんぽんしてくれた。わたしは嬉しくなり「ありがとうモフにゃーわたし頑張るぞ」と、とびっきりの笑顔を浮かべた。
「にゃはは、どういたしましてにゃん。あ、試食もさせてにゃん」
やっぱりモフにゃーは食いしん坊な猫ちゃん(あ、聖獣猫だ)だったけど、それがまたモフにゃーらしい。わたしはやる気満々になれたので大感謝だよ。
「仕方ないな。試食させてあげるね」
「やったーにゃん」とモフにゃーは嬉しそうに飛び上がる。
「あ、俺も試食してやるぞ」
「俺もしっかりと試食してやろう」
ギャップと日焼けも目をキラキラと輝かせた。まったくもふもふ達には困っちゃう。
「さて、わたしの食べたい日本料理はなんだろう?」
うーん、食べたいものはたくさんあるけど迷ってしまうな。
「日本料理といえばやっぱり白いご飯が食べたいな。う〜ん、白いご飯がたくさん食べられる食物はいろいろあるな」
わたしは、丼物だと白いご飯がたくさん食べられるなと考えた。えっと、親子丼でしょ、中華丼、牛丼、天丼、カツ丼などいろいろあるぞ。
もう考えるだけでヨダレがたらたら垂れそうになる。
「あ、中華丼は日本料理じゃないか。親子丼はよく創造しているしね」
わたしはうーんと唸る。牛丼はあんまり好きじゃないな。カツ丼は好きだけどどうしようかな。
その時、突然のり弁当が思い浮かんだ。




