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日本料理のご注文

「は〜い、日本料理の注文だね。了解〜」


 わたしは元気よく返事をした。やったーご注文が入って嬉しいよ。それでご希望の日本料理はなんだろう? と顎に人差し指を当て考えていると、お父さんが洗い場に入ってきた。


「そうそうお客さんのニホン料理なんだけど今回もアリナのお任せコースだぞ」


 お父さんはわたしを見てにこにこ笑っている。


「お任せコースね。了解」


 わたしは任せてと手をグーにして胸の上をぽんぽんと叩いてみせた。なんてね、本当は喜んでもらえるものが創造できるかなと、心配でドキドキしている。


「ニホン料理か? なんか美味しそうな名前だな」


 日焼けが舌舐めずりをしながらわたしに視線を向けた。


「お客さんに出す料理なんだよ。勝手に食べちゃダメだからね」


 わたしは日焼けの黒々した目をじーっと見る。


「なんだよ、そんなにじ〜っと見るなよ。照れるぜ。俺は勝手に食べないぞ。でも、ニホン料理とやらが気になるな〜」


 日焼けはそう言うけれど、信用できないよ。だって、食いしん坊でしかもあの洗いもじゃぶじゃぶ事件もあるんだもんね。


「本当かな〜?」と言いながらわたしはモフにゃーとギャップのこともついでに見ておく。


「うにゃん?」

「ん? なんだ?」


 モフにゃーとギャップはきょとんとして首を横に傾げた。


「モフにゃーとギャップちゃんもお客さんの料理を食べたらダメだよ」


「わたしお客さんの料理にゃんて食べたことないにゃん」

「俺もないぜ」


「……どの口が言う。何回もお客さんの料理を食べているよね」


 もうこの二匹には呆れちゃうよ。


「アリナ、頑張ってくれよ〜もふもふさん達もお手伝いをするんだぞ」


「は〜い」

「は〜いにゃん」

「仕方がないな」

「任せておけ」


 わたし達は元気よく返事をした。


 

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