清々しい朝
翌朝、苦手な犬鳥の鳴き声で目が覚めた。いつものわたしだったらがっかりするところだけど今朝は違った。たっぷり寝ることができて身も心も爽やかなんだもん。
「う〜ん、よく寝た。おはよう」
わたしは大きく伸びをした。さあ、今日はどんな一日になるかな? と考えるとワクワクしちゃう。
ベッドからぴょーんと飛び降りピンク色のふわふわもこもこのお気に入りのスリッパを履く。
その時、「アリナちゃんいつまで寝ているにゃん」と可愛らしい声と共に真っ白でもふもふふわふわなモフにゃーが部屋に入って来た。
「ありゃまにゃん。アリナちゃんってば起きているにゃん」
モフにゃーは目を丸くしてわたしをじっと見た。
「ん? モフにゃーてばわたしがいつもお寝坊さんみたいな言い方だね」
わたしはほっぺたをぷくっと膨らませた。
「だって、いつものアリナちゃんはお寝坊さんだにゃん」
モフにゃーはにゃんまりと笑った。
食事の間へ向かう廊下をモフにゃーと一緒にとてとて歩きながら「ねえ、モフにゃーわたしをベットに運んでくれたのはお父さん?」と尋ねた。
「うん、そうだにゃん。お父さんってば、おぅ〜アリナよ。可愛らしい寝顔だな〜にゃんて言って目を細めていたにゃん」
モフにゃーは目を細めお父さんの顔真似をする。
「あはは、ちょっとモフにゃー笑わせないでよ。そっくりだよ〜」
わたしは可笑しくてお腹を抱えて笑った。
「にゃはは、似ていたにゃん。それで、アリナちゃんをさっと抱っこしてベットに運んだにゃん」
もう、お父さんがわたしをベットに運んだ様子がありありと目に浮かぶ。
「それで、わたしのご飯はどうなったの?」
「それは、ギャップちゃんと日焼けちゃんがむしゃむしゃにゃんって物すごい勢いで食べたにゃん」
「それと、モフにゃーもだよね」
「うにゃん、バレたかにゃん」
モフにゃーは肉球のある可愛らしい手で頭をぽりほりと掻き照れ笑いを浮かべた。




