可愛いお部屋
「みんな適当に座ってね。お茶でも淹れてくるよ」
真来はにっこり笑いキッチンへ向かう。
わたし達はカントリースタイルの花柄のソファに腰を下ろした。わたしの隣にモフにゃーその隣にギャップ。目の前のソファにうさっぴーと日焼けが座る。
「可愛くて女の子っぽい部屋だね」
「わたしがコーディネートしているんだよ」
うさっぴーがにぱっと笑う。
「うさっぴーちゃんのコーディネートなんだね。とっても可愛いもんね」
「ありがとう。褒めてもらえてうれしいな」
ちょっと照れたように長い耳に手を触れるうさっぴーは胸がキュンとするほど可愛らしい。
隣に視線を向けるとモフにゃーがふぁーとあくびをしていた。その姿はキュートで堪らない。なんだけれど、モフにゃーもうさっぴーを見習い女の子らしくならないかな。食いしん坊だけが取り柄なんだもんね。
なんて、モフにゃーを見ていると、わたしの視線に気づいたのか「うにゃん?」とこちらを見て首を傾げた。
「モフにゃーも食いしん坊以外の取り柄も見つけないかなって思ったの」
「んにゃん? わたし可愛いのも取り柄にゃん」
なんて得意げに答えるモフにゃーだった。
「あはは、そうだったね……」
まあ、これがモフにゃーなんだから仕方がないね。わたしはそのモフにゃーの可愛さで幸せいっぱいになっているもんね。
「みんなお待たせしました」
真来が花柄のお盆にうさぎ柄のティーカップを載せ戻ってきた。
わあ、うさぎ柄の小皿にパイもある。目の前に置かれたティーカップからふわりとリンゴのような甘い香りが鼻をくすぐる。これはカモミールティーだな。
モフにゃーとギャップに視線を゙向けると、思った通りヨダレを今にも垂らしそうな表情になっていた。それと、日焼けは「ウヒヒヒ」なんて不気味に笑っている。
真来もわたしの正面に腰を下ろす。
「今日はみんな遊びに来てくれてありがとう」
真来はわたし達の顔をぐるりと見渡しながら言った。
「ようこそ〜」とうさっぴーも両手を広げた。
「お招きありがとうで〜す」
わたしは笑顔を浮かべ挨拶をした。
「お招きとお菓子をありがとうにゃん」
「真来の家にご招待されてやったぞ」
「うっふん、日焼けな俺が特別に来てやったぞ」
もふもふな三匹はなんか変だぞと思う挨拶をした。
「さあ、みんな食べてね。ってモフにゃーちゃんはもう食べているのかい」
真来がそう言うので隣のモフにゃーを見るともぐもぐにゃん中だった。
「わたしってばいただきますにゃん中だよ」
モフにゃーは可愛いお口をもぐもぐさせながら返事をする。
「あはは、いいよ、どうぞ食べてね。みんなもね」
真来は楽しそうに笑っている。




