アリナの周りは賑やかです
「え? 日焼けちゃん」
「ん? なんだ、幼女さん」
「わたしの名前はアリナだよ」
「アリナちゃんか。で、日焼けな俺に何のようだ?」
真っ黒な魔獣こと日焼けは不思議そうに首を横に傾げた。なんか、モフにゃーにテイムされた日焼けは可愛らしく見えてきたから不思議だ。って今はそんなことを語っている場合ではない。
「どうして日焼けちゃんはわたし達に付いて来るの?」
「そうだよ、何故に付いて来るのだガォ~」
「それは、モフにゃー主にテイムされたからに決まっているじゃないか」
日焼けはさも当たり前だといった表情でわたしとギャップを見た。
「にゃはは、仲間が増えたにゃん」
モフにゃーがこちらに振り向き言った。
「そうか、仕方な〜い。日焼けちゃんも一緒に真来のお家にお邪魔しよう」
わたしは手を高く突き上げ微笑みを浮かべた。
モフにゃーのおかげでわたしの周りはどんどん賑やかになっていく。なんだか楽しいな。
「おい、待てよ。このライオン魔獣鳥である俺の自己紹介が終わっていないではないか」
ギャップがガォーと吠えながらモフにゃーの後を追いかける日焼けに言った。
「ライオン魔獣鳥が自己紹介をしてくれるのかい」
日焼けがその黒い目をギャップに向けた。
そうだ。このライオン魔獣鳥であるこの俺が自己紹介をしてやるのだ」
ギャップはドヤ顔で日焼けに視線を向けた。
「なんか知らないが偉そうな態度のちびっ子ライオン魔獣鳥だな」
「なんじゃとこのライオン魔獣である俺をちびっ子扱いするとはなんて失礼な日焼けちゃんなんだ。このこげこげ魔獣めが」
ギャップはちびっ子と言われたことが気に入らないようだ。プンプンとご立腹している。
「な、なんだと、こ、こ、こ、こげこげとは許さん!!」
日焼けは全身真っ黒にコンプレックスがありこげこげと言われ怒りに震えている。
「本当のことを言っただけだろう。こげこげ」
「な、なぬぬ!! ちびっ子」
二匹の魔獣は醜い言い合いをしている。
わたしが、そんな二匹にやめなさいと注意をしようとしたその時。
「ギャップちゃん、日焼けちゃん、お互いが気にしていることを言っちゃダメにゃん!! いい加減にしなさいにゃん!!」
とモフにゃーが主らしく注意をした。
「……モフにゃー主」
「モフにゃー主が怒った」
ギャップと日焼けはしょんぼりと俯いた。
「日焼けちゃんが真っ黒なのも可愛らしいしギャップちゃんがちびっ子化しているのも可愛いにゃん。しょげていないで仲直りするんだにゃん」
モフにゃーが力強く言った。




