表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/210

もふもふ達と一緒に

それから数日後の春風が心地よいある日、真来の家にお邪魔することになった。


「アリナよ、お父さんも一緒に行こうか?」

「お父さんはお仕事があるでしょ」

「だが、心配だな……」


 お父さんは眉間に皺を寄せ不安そうに溜め息をつく。

「眷属のわたしがアリナちゃんをしっかり守ってみせるから大丈夫にゃん」

「モフにゃー主に仕えている俺もいるから大丈夫だぜ」


 モフにゃーとギャップが頼もしいことを言ってくれる。でも、モフにゃーがわたしの眷属だったことなんてすっかり忘れていた。だって、幼い妹のような存在になっているもんね。それに、ギャップもモフにゃーに仕えているようには見えません。


 それでもわたしは嬉しくて胸が弾む。


「モフにゃーにギャップちゃんがいるから大丈夫だよ」


 わたしは、にこーっと笑ってみせた。


「そうか。では、モフにゃーにギャップちゃんアリナを頼んだぞ」


 お父さんはモフにゃーとギャップを交互に見て言った。

「はいにゃん。任せてにゃん」

「ふっふん。このライオン魔獣鳥である俺に任せろ」


 モフにゃーとギャップは並んで胸を張る。その姿があまりにもキュートでキュンとする。


「じゃあ、モフにゃーにギャップちゃん行こう。お父さん行ってきます」


 わたしはそう言ってお父さんに手を振る。


「アリナ気をつけるんだぞ」

「は〜い」

「は〜いにゃん」

「任せておけ」


 お父さんはまだ、「心配だな」と言っているみたいだけど、わたし達は元気よく歩きだした。



「るんるん♪ らんらんらん♪ 真来のお家が楽しみだ〜うさ聖獣さんも楽しみだよ♪」


 わたしは真来のお家ともふもふなうさ聖獣を思い浮かべ鼻歌を歌う。


「にゃんにゃん♪ 真来のお家のお菓子が楽しみだにゃんにゃんにゃん♪ うさ聖獣さんも楽しみにゃん♪」


 モフにゃーはなぜだか真来のお家のお菓子を楽しみにしているみたいだ。食いしん坊な歌声だよ。


「ガォガォガォ〜♪ 真来のお家のお菓子を食べるぞガォガォガォ〜♪ それからうさ聖獣をまるっと丸呑みじゃなかった、うさ聖獣ともふもふするぞ♪」


 ギャップも真来のお家のお菓子とそれからうさ聖獣を丸呑みだなんて恐ろしいことを歌っているよ。どうやら間違えたみたいだからほっとしたけれど。


 わたし達は花吹雪の中歌を歌いながら真来の家へと向かったのだ。このグリーン王国にも日本の桜とよく似た花であるピンクフラワーが咲いている。


 こんな風景の中を歩いていると地球が日本が懐かしい。


「あ、そうだ! 忘れていた」

「ん? アリナちゃんどうしたんだにゃん?」

「お父さんの手作りアップルパイは持ってきたけど、アリナ特製の日本料理を忘れていたよ〜」


 桜とよく似たグリーン王国の花ピンクフラワーを眺めていると日本料理をお土産に持っていくと真来が喜んでくれるんじゃないかなと思った。


「お外で日本料理を創造するぞ〜」


 わたしは腕を突き上げる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ