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掌編

文化祭一緒にまわろうよ!

 雪岡君はわたしの好きなひとだ。

 クラスで一番かっこいい。

 親友のゆりとちかは、

「何言ってるのよ」

 と笑い飛ばすけれど、男性の見る目がないよ、二人とも。

 今日こそは雪岡君に「文化祭一緒にまわって」と誘うんだ。

 こっそりと三人で雪岡君が一人になるチャンスを待つ。

 そして放課後にそのチャンスがやってきた。

「さあ、行くぞ」

 と小さくわたしがつぶやけば、

 ゆりとちかはわたしの背中を遠慮なく叩き、

「いけ!えり!!」

 送り出してくれた。

 わたしは雪岡君の背中に向かって駆け出した。

 一歩足を踏み出すたび、その背中が近づいていく。

 胸の鼓動が高鳴る。高鳴る。高鳴る。

 心臓がつぶれるんじゃないかと思うくらい。

 たぶん顔は真っ赤になっているはずだ。

 雪岡君の背中に手が届く距離まで来た時、わたしの足は勝手に回れ右をしてしまった。

 ゆりとちかの罵声が聞こえる。

「この根性なし」

「何してんのよ」

 わたしは行きより速いスピードで駆け戻り、

「大丈夫よ、文化祭までにはまだ日があるわ」

 ゆりとちかに頭をポカポカ叩かれた。


   了

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの回れ右! スピード感溢れる一連の流れにフフッとなりました。 とても可愛いですね。 甘酸っぱい恋心、応援してくれる友達、そして文化祭という一大イベント…… なにもかもが青春に溢れて…
[一言]  この作品、いいですね❗  学生時代の象徴のようなお話。笑笑  好きな人は一番かっこよくみえますよね。笑  弾けそうな若さの溢れた作品で、ラスト笑ってしまえるのが本当に学生、って感じがして面…
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